デジャブ(続)《さしす》 ページ2
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「A…お前なの?」
「え…?」
首を傾げる彼女に対し五条は言葉を続けた
「元気?調子はどう?」
どうやら、自分を通して誰かと話しているようだ
「僕は元気だよ。これからご飯食べる所。
……出さねぇよ。
いくら僕でもそこは弁えてるに決まってるでしょ。
……ここにいるのはお前じゃないんだし」
先程までとはうってかわり
子供のように拗ねた顔を浮かべる五条をAはじっと見ていた
「それよりいつからこうして話せるってわかったの。
そっか。は?……話すって過去の僕に?本気なの」
スン、と五条の顔色が変わる
「それって未来が変わるどころか
僕達まで変わるかもしれないんだよ。
お前はそれでいいの?」
何か焦る様に捲し立てたかと思えば
次の瞬間、ハッと鼻で笑うように声を上げると
そのまま眉をひそめて五条はその場に座り込んだ
「そんな終わり方あるかよ普通……」
「五条さん…あの……」
「あ……?あぁごめんね。なんでもないよ」
これ食べな、と彼女に渡すがAはそれどころでは無い
「大丈夫…ですか」
「気にしないで食べて」
突然ごめんね、と五条はいうが顔色が良くなかった
「ちょっと僕席外すから。先に食べといていいよ」
___外に出た五条は複雑そうな顔を浮かべていた
日はすっかり落ちており、秋の涼しい風が頬を掠める
「A」
スマホを開けば隣で楽しげに笑うAが隣に写っていた
「昔からそうだったけど、お前ほんとイカれてるよ」
はぁ、とため息を着くが状況はかわらない
「そうだこの後僕…Aに怒鳴り散らすんだっけ」
そこで五条は12年前の今頃の記憶を唐突に思い出す
傑を死なせないで、と告げるAに
勝手な事口走ってんなよと叫ぶのだ
“お願い悟さん言ってることを信じて”
懸命に訴えると同時に涙を流し続けるAに
自分だって頭が追いついていなかった
あの頃も、今もだ
信じるも何も神力は微塵も感じず
彼女から発される呪力とはまた別にある微かな呪力が
間違いなく「自分と同じもの」である衝撃と
何故親友の彼女とそんな間柄になったのか
親友が死ぬとは何事かという動揺で頭は混乱したのだ
今は今で
「自分との関係そのものが消えるかもしれない」可能性を
構わないと言わんばかりの勢いに気が動転している
だからといって夏油がどうでもいいわけではない
それが余計に五条を苦しめた
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作者 - プスメラウィッチさん» お久しぶりです!前作からお読みいただいてくださってましたよね(*^^*)当作は今後のものも含め、全ての物語において既にオチは決まっておりますか続きを楽しみにされる方の為に断言することは避けております、申し訳ありません。ですが楽しんでいただけたらと思います! (2022年7月22日 21時) (レス) id: 32dd956d28 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2022年7月20日 11時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
作者 - る。さん» 初めまして!コメントありがとうございます!究極の2択ですよね……(涙)今後の主人公の動きを見守って上げてください…! (2022年7月7日 6時) (レス) id: 32dd956d28 (このIDを非表示/違反報告)
る。(プロフ) - 初コメ失礼します!五条先生オチであってほしいけどなんというか複雑(涙)更新待ってます!!! (2022年7月6日 0時) (レス) @page12 id: 3ca3e54ab4 (このIDを非表示/違反報告)
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