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炭治郎とAちゃんが付き合ってるのを知ってるから。

俺は背中を摩ってあげれなかった。

理由も聞けない。

だって、すごく悲しそうな音がするから。


「ごめんね、言えなくて…」

「無理して言わなくていいよ!」

「…ありがと、善逸」


そういう伊之助は、勉強をやめて寝ている。

少しくらい励ませよって思うんだけど。


「私ね、強くなろうって」

「え?」

「今まで頼ってばかりだったから、自分で解決しなきゃって思ったんだ」

「…そっか。でも、たまには俺らに頼ってもいいんだぞ?」

「ありがと」


そう言うと、Aは荷物を持って教室を出ていった。

気になる。

ちょっとだけ可愛い音が鳴ってるんだよな。

なんか、恋してるみたいな。

もちろん、炭治郎に向けてだと思うけど。

でも、炭治郎はメッセージで言ってきたことがある。


炭治郎なぁ善逸
善逸なに?
炭治郎Aは、本当に俺の事好きだと思うか?
善逸何言ってんだよ。そりゃそうだろ
善逸OKしてくれた子だよ??
炭治郎でも、Aから好意の匂いがしないんだ


俺は信じられなかった。

でも、本当にもしそうだったら。

誰が好きなんだろう。


「なぁ、紋逸」

「ん?」


善逸だっつーの。


「俺の勘だけど、A、ギョロギョロ目ん玉のこと好きだったと思う」

「へ……?」


伊之助と俺は、どうやら同じことを考えていたようだ。

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作者名:さな | 作成日時:2021年6月14日 21時

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