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「補習、ですか…」
「うむ!空いている曜日はあるか!」
サクサクと進めていく先生。
水曜と金曜はピアノ。
それに加え、火曜と金曜が塾。
月木か…忙しくなるな。
「月木なら空いてます」
「そうか!ならば月曜日に補習を行う!来週から社会科準備室に来るように!」
「わかりました」
私は荷物を持って、教室を出た。
いつも隣を歩いていた子は、私の嫌いな子に取られた。
普通の友達なら、待ってくれるよね。
そう。
私には本当の友達がいない。
ひとりが楽だからいいけど。
ぽつんと空いている私の席。
席に座り、残りの時間をぼーっと過ごした。
チャイムが鳴り、私の嫌いな時間が始まる。
「お腹空いた〜」
「ねね、購買行こ!」
ほとんどの人たちが財布を持って出ていく。
廊下にある鞄からお弁当を取りだし、席に座って食べる。
またぞろぞろと生徒が戻ってくるはず。
嫌だなぁ。
誰も、食べようなんて誘ってくれないんだから。
お母さんの作ってくれた美味しそうな卵焼きに箸を挟む。
口に入れようとした時。
「あ!美縁さん!」
卵焼きを持ったまま、顔を上げる。
そこには、笑顔な男の子が2人立っていた。
「良かったら一緒に食べよう!」
初めて誘われた。
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作者名:さな | 作成日時:2021年6月14日 21時