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炭治郎と付き合うようになってから、また日が過ぎた。
とうとう期末考査一週間前だ。
今日は月曜だから、煉獄先生の補習がある。
でも私は決めた。
歴史は私の入試に必要ないため、辞めることにしようと。
先生と距離を置くためでもあった。
その放課後。
荷物をまとめていると、炭治郎がやってきた。
「A、今日はパン屋の仕込みがあるから一緒に帰れないんだ。ごめんな?」
「大丈夫だよ!私も補習あるから」
そしてお互いにぎゅっと手を握る。
いつも触れるこの手に、罪悪感を抱いていた。
炭治郎が顔をしかめる。
「…どうした?」
「え?なんでもないよ?」
「ならいいんだ!また明日!」
「うん!じゃあね!」
炭治郎が教室から出るまで、見送った。
筆箱を持って、社会科準備室へ向かう。
重たい扉を開ける。
「うむ!来たな!」
「こんにちは」
そして毎週のように、プリントを渡され解いていく。
分からない部分を解説。
当然、右耳から左耳へ流れるだけだ。
その時はわかっていても、帰ったら忘れるし。
時間はあっという間に過ぎて。
「む!もうこんな時間だな!」
「先生、お話があるんですけど…」
「どうした、言ってみろ」
「…もう、補習は辞めたいです」
先生の顔から笑顔が消えた。
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作者名:さな | 作成日時:2021年6月14日 21時