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どう思ってるかなんて。
答えは一択だ。
｢友達です。好きでは無いですよ｣
｢そうなのね｣
もし。もしもだけど。
告白してきたら、きちんと断らなきゃ。
だって私は。
煉獄先生の顔が頭に浮かぶ。
それだけで頬が緩む。
｢先生、もう大丈夫です｣
｢あらほんと？また何かあったらいつでも来てね｣
｢はい。ありがとうございました｣
置いていた荷物を持ち、生徒玄関へ向かった。
煉獄先生、何してるんだろ。
すごく気になる。
保健室でしてくれた、あのおまじないのキス。
あれはどういう気持ちでやったんだろう。
まさか煉獄先生、軽い男だったりする？
｢いやいや｣
私は首を横に振る。
そんなの考えられない。
下駄箱から靴を取り出す。
玄関を出た。
涼しい風が頬を撫でる。
その時。
駐車場からあわてて学校に向かってくる。
あの髪型。
見れば分かる。
｢煉獄先生！｣
｢む！A！どうしたんだ！｣
どうしよう。
聞いてしまおうか。
気になることなんだし、いいよね。
職員玄関の前で先生が止まる。
｢先生…恋人いるんですか？｣
先生はきょとんとしていた。
｢…いないが｣
｢えっ…？でも、女性の方と電話してた…｣
｢あぁ、あれは、俺の従姉妹だ。その娘が病気で、面倒を見て欲しいと言ってな。今仕事を持って帰ろうと、一度学校に戻ったんだ｣
｢あっ……はぁぁ…………｣
安堵で大きなため息をつく。
いなかった。
よかった。
なら、少しだけ期待していいよね。
｢病気、治るといいですね！｣
｢うむ！では急いでるので！｣
｢すみませんでした！また！｣
｢うむ！さようなら！｣
私は笑顔で駆け出していた。
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作者名：さな | 作成日時：2021年6月14日 21時
