-心燃-【煉獄杏寿郎】

前日 ページ6

｢少しは落ち着いたか！｣

｢はぃ、すみません、泣いちゃって｣


背中には煉獄さんの大きな優しい手が。

それだけでまた泣けてくる。


｢それでだが、君は何故ここに来た！｣

｢えっと…それはですね｣


未来から来たなんて信じて貰えない。

実際、図書館で寝てたんだから。


｢図書館で本を読んでいて、眠ってしまって。それで起こされて、珠世様にここまで案内されました｣

｢うむ！そうか！！｣


こんな元気な人だとは思わなかったなぁ。


｢あっ、明日、柱合会議を行うと御館様が。私も同行します｣

｢そうか！わかった！｣

｢失礼します…！｣


すると、障子からひょこっと煉獄さんに似た小さな子が出てくる。


｢兄上、おやすみを言いに来ました｣

｢もうそんな時間か！おやすみ千寿郎！｣

｢はい！おやすみなさい｣


ピシャリと障子がしまった。

弟がいるんだ。

似ていたし、可愛かったなぁ。


｢俺も寝るとしよう！Aは隣の部屋で寝なさい｣

｢分かりました｣

｢おやすみ、A少女｣

｢おやすみなさい｣


私はスタスタと隣の部屋へ向かった。

しんと静まり返る。

まだここにいる感覚に慣れていない。

本当に大正なのか。

明日になれば、戻っているということは無いだろうか。

いろいろ考えると、寝れなくなってくる。


｢…だめだっ、もう寝よう｣


私は布団を敷き、中に入って眠りについた。

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