最期 ページ36
私は煉獄さんの元へ駆け寄る。
「煉獄さん!死なないでください!だめです!」
少し微笑んだかと思うと、炭治郎を呼んだ。
「最後に少し話をしよう」
最後じゃない。
そんな事言わないで。
「俺はもう、すぐに死ぬ」
「っ!!」
炭治郎の顔が歪む。
伊之助も身体を震わせた。
「喋れるうちに喋ってしまうから聞いてくれ。弟の千寿郎には自分の心のまま正しいと思う道を進むよう伝えて欲しい。父には体を大切にして欲しいと」
一呼吸置いて、また話す。
私は涙が止まらない。
「胸を張って生きろ」
「…うっ、…うう……」
炭治郎は泣き続ける。
「それから、A…」
私は顔を上げた。
「俺は君を愛していた」
「…っ!!」
「来世では絶対愛し合うと約束する」
「…私もですっ……!」
「竈門少年、猪頭少年、黄色い少年、もっともっと成長しろ。そして今度は君たちが鬼殺隊を支える柱となるのだ。俺は信じる。君たちを信じる」
「うっ……うぅ」
炭治郎が片手で顔を押さえる。
私も涙を拭おうとした時。
「…えっ……?」
手が透けている。
体も、隊服も全て。
消えてしまう。
現実の世界に戻ってしまう。
嫌だ!そんな…!
でもどうすることもできなくて。
白い光が見える。
朝日なのかわからない。
最後に見えたのは、煉獄さんの晴れやかな笑みだった。
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さな(プロフ) - 飴さん» あ、追記で。光と薔薇の呼吸どちらも使えます! (2022年8月7日 21時) (レス) @page37 id: 423062be9e (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - 飴さん» こんばんは!作者の(名前を変えた)さなです!たくさんの誤字と文章のおかしな部分の指摘をありがとうございます!全て直させて頂きました。読んでいただきありがとうございます!お返事が遅れてしまい申し訳ございません! (2022年8月7日 21時) (レス) id: 423062be9e (このIDを非表示/違反報告)
飴 - 物語一気に読んじゃいました。 その後の2人が気になります。。。 沢山の直しを言ってしまいすみません(>_<) (2021年11月23日 2時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
飴 - 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 未来でのここの台詞 「えっ?でも親任式は終わったよ?」 これ正しくは新任式ではないんでしょうか? (2021年11月23日 2時) (レス) @page37 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
飴 - 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 猗窩座のここの部分 そこで私は頸に斬りかける。 これ正しくは私は頸に斬りかかる。ではないんでしょうか? (2021年11月23日 2時) (レス) @page33 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さな | 作成日時:2021年5月2日 23時