人の心は神に欺けぬ【刀剣乱舞】 (ページ4)

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話を聞けば歴史修正主義者というやつらが未来に影響を与えている偉人や自分達にとって邪魔な出来事をなかったことにしようとしているらしい。正直、すぐには信じられなかった。それもそうだ、そんな漫画みたいな展開ありえるはずがない。ていった。

「このままでは貴方様の存在すらも危ういこととなります。どうかお力をお貸しいただけませんか？」

こんのすけは嘘をついていない。今まで嘘をついてきた人間は大勢見てきた。決まって全員目付きや口調が普通とは違っていた。けれどこんのすけは目付きもまっすぐで口調も真剣。嘘をついている態度じゃない。

「…。」
「やはりこんな話は信じられないでしょう。けれど今は審神者も人手不足に陥っています。貴方様のような一般人を巻き込むなど本来ならばあってはならぬ事。ですが非常事態、このような手段を取らねばならぬのです。」
「いいよ、審神者やってあげる。」

私はこんのすけの頭を新しい傷と古い傷が混ざった手で優しく撫でた。動物は鼻がいい、少々血生臭いだろう。

「本当ですか！？ありがとうございます！」

こんのすけは嬉しそうに尻尾を振った。

「歴史を守れるなんて素敵じゃない。」

私はここで初めて嘘をついた。
歴史なんてどうでもいい、時の政府とやらも歴史修正主義者もどうでもいい。ただこの幸せのない世界から離れるために屋上から飛び降りるより歴史を守りながら散っていった、こういうシナリオのほうが見栄えがいいと思っただけだ。

不幸な世界に別れを告げる、その日までこの茶番に付き合うことにしよう。