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拾漆 ページ18
彼女は何か嘘をついている。
あの時、初めて出会った時からそんな気がしていた。付喪神になったからだろうか彼女の考えがわかるようになっていた。初期刀だから、近侍だからというのもきっとあるんだろう。彼女の心はひどく闇に覆われていた。光さえ届かぬほどの闇。それはきっと彼女自身が光を受け付けないからだろう。十五の子供が抱えるものにしては大きすぎる。きっともう限界だ。
“この世界から消えたい…。”
死なせたくない。彼女の願いがわかった時、そう僕は願った。
幸せを知らないのなら幸せを教えてあげよう。幸せを願わないのなら幸せを願うようにさせよう。どんなことをしてもいい。僕は君を死なせるわけにはいかない。
…何故？所詮は人の子……けれど彼女を見ていると懐かしく、苦しくなる…。
僕は与えたい、彼女に幸せを。
僕は知りたい、何故彼女を救いたいのかを。
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作者名：ごごねこ | 作成日時：2018年5月17日 11時
