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「…あんまり痛くない…あの薬研っての医療知識があるって本当なんだね。」

多少は痛むものの今まで自分がやっていた手当とは全く違うことがわかる。

「そうだね、さあこれから忙しくなるよ。君はとりあえず休んでおきたまえ。僕と薬研は雅で美しく、なおかつ美味しい食事を作ってくるよ。」
「え。」

不安でしかなかった。今は人の形をしていても元は刀。料理などできるのだろうか。けれど少女自身も料理はあまり得意とは言えない。少女は覚悟して待つしか選択肢はなかった。

数時間後。
歌仙に呼ばれ、大広間へと向かえば何やらいい匂いが漂ってきた。
室内を見れば三人分にしては少々量は多いが美味しそうな料理が並んでいた。

「ほ、本当にあんた達が作ったの…?」
「ほとんど歌仙が作った!」

堂々と言う薬研。

「僕は料理が得意でね。」
「…これも歌仙が?」

少女の指差した先には大きく切られた大根の煮物があった。雅とは程遠いがっつりとした大きさだ。

「それは俺っちだ。」
「これはさすがに大きすぎるんじゃ…。」
「腹に入れば同じことだろう?」

何事も男らしい薬研はさすがだと少女は感心した。

拾壱→←玖



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作者名:ごごねこ | 作成日時:2018年5月17日 11時

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