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60話 ページ10




「ちょっと!!どういうことなの!?」


パリーンと硝子が割れる音が響き、女は怒鳴った。周りの人達は怯え、目を合わせないように下を俯いた。


「ああっ、やはりあの小娘は消すべきよっ。いきなり現れては私の白狼様を取りやがって…っ」


許さないっ、消してやるっとブツブツ言う女はフラフラした足取りで暗闇の中に消えていった。




ーーーーー



『……私は、とんでもないことをしてしまった。』




夜、池のそばで飛び交う蛍に話しかけるように月夜は小さく呟いた。




『お兄ちゃんは私を助けてくれたのに…私は、お兄ちゃんを殺しかけた。』



そっと手を伸ばすと、蛍が彼女の手を近くまで近寄ってくる。まるで手が光っているようで不思議な光景だ。

ふと手を下ろすと、蛍もまた気ままに他のところへ飛んで行った。





あの時貝殻を拾わなければ。

あの時、貝殻を渡さなければ。





『合わせる顔がない……っ』






正直皆の顔を見ることすら怖かった。お前のせいで白狼は死にかけた。お前が余計なことをするからこうなった。お前がいなければ……


月夜はそのあとの言葉を考えたくもなかった。膝に顔を填め、足を抱えた。






ごめんなさい。……ごめんなさいっ、ごめんなさい。

心の中で何回も繰り返した。








そういえば、よく言われてたなあ。まだあの村にいた頃に言われたこと。

ここの人達は、お兄ちゃんはあの人たちに今まで言われたことは信じなくていいって言った。

だから私ももう気にしないように過ごしてきた。お陰で毎日が楽しい。

でもね、あの人達が言ったこと、一つだけあってたよ。







ーーー知ってるか?お前みたいな忌み子はな…




私みたいな忌み子はね






『忌み子は、周りに不幸をもたらすんだ。』(ボソッ)





お兄ちゃん達に不幸をもたらすんだよ。





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鈴桜(プロフ) - 完結おめでとう〜〜!! 早く完結させたね…まだ、二週間しかたってないよ…夢主達のこのあとの話しも気になります (2020年8月23日 13時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - まさか、この神様があの貝殻をおいていった犯人かな?そして、白狼〜〜!!頑張って夢主を助けてあげて〜〜!!新しい神様可愛い (2020年8月22日 21時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 鈴桜さん» 単純に妹を溺愛したい白狼を書きたかったです笑 (2020年8月22日 20時) (レス) id: 6cecd18213 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - まさか……兎…それも他の動物達も仲良しとはびっくりしました…宿でも何かありそうだけど、白狼はシスコンですね (2020年8月21日 17時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - え〜〜!!式紙が、人に変身した…それも、夢主を知ってる感じみたい…誰の式紙ですかね?っていうよりどの神様のだろう?? (2020年8月21日 7時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めい | 作者ホームページ:http  
作成日時:2020年8月19日 8時

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