10話 ページ10
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何とも言えない空気に幼女はただただ戸惑っていた。そんな彼女に気付いた時和は布団に入っとけと促した。
「あ、ご、ごめんね。大丈夫、君には全然怒ってないから。ほら、早く布団に入りな？その格好じゃ少し肌寒いでしょ？」
彼女の前で怒りを表してしまったと後悔する白狼は慌てて布団を整え、こっちに来てとポンポン布団を叩いた。
さっきより幾分警戒が解けたのだろう、幼女はゆっくりと布団に向かった。
彼女のその行動に白狼は尻尾が出ていたら勢いよくブンブン振っていただろう、それくらい嬉しそうにし、顔に出さないだけで時和も内心微笑んでいた。
「ああ、そうだ。君の手当をしたのは俺の妹、名は蘭と言う。恐らくもう少ししたら来るだろうが…平気か？」
布団に入り、白狼が毛布を優しくかけてあげた。幼女は毛布をぎゅっと小さな手で掴みながら時和の方を向いて、コクっと頷いた。
この二人は恐らく自分を傷付けない、それなら自分をこんな丁寧に手当してくれた人も尚更悪い人でないだろうと思った。
噂をすればというのか、足音が近付いてきた。音はこの部屋の前でピタッと止まり、トントンと優しく襖を叩く音が響いた。
そして「蘭です、入りますね。」と透き通った声と共に襖は開かれた。
幼女はやはり少し緊張してしまったのか、毛布を顔まで上げ、目元だけチラッと覗かせた。
彼女の視線に気付いた蘭は目を見開いた。
「まあ、目が覚めたのですね。よかったですわ。ああ、私は蘭といいます。よろしくお願いしますね。」
抑揚のある声、嬉しそうな顔、大人びている見た目の割には少し子供っぽさが滲み出ていた。
白狼は蘭をじーっと見つめる彼女に補足説明をした。
「蘭さんはお花の神様なんだよ。お花は好き？」
『！……ｺｸｯ』
「あらっ、嬉しいですわ。私、中庭に何個かお花畑を育てていますが…そうですね、もう少し安静にしてから見に行きましょう！」
お花畑と聞いて、僅かに目を輝かせる幼女。蘭にならすぐに心を開きそうだなと心の中で時和は思った。
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鈴桜(プロフ) - めいさん» 夢主よかった……そして、白狼!!格好いい！！風の神様だからスピードが早いんですね。続き楽しみに待ってます (2020年8月18日 16時) (
レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 鈴桜さん» わあ、嬉しいです！刀剣乱舞じゃないのに、読んでくれるとはっ。頑張ります(￣^￣)ゞ (2020年8月17日 19時) (レス) id: 6cecd18213 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - 新作〜〜!!待ってました。どんな風になるかワクワクしながら読ませていただきます (2020年8月17日 19時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
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