45話 ページ45
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『〜〜〜っ』
「よしよしっ、痛かったな。よく我慢した、偉いぞ。」
消毒というものを初めて経験した月夜は必死に涙を我慢していた。そんな彼女を千秋は頭を撫でて褒めてあげた。
千冬は手当が終わったのを確認し、椅子から飛び降りて月夜の方に駆け寄った。
「消毒よく頑張ったな！ご褒美にこれをあげる！！」
そう言って千冬が差し出したのはイチゴ味の飴だった。自分だって消毒怖いくせに大人ぶりやがって、と千秋は呆れながら我が弟を見ていた。
実は何回か飴を小春や桜芽などから貰った彼女は、自分がイチゴ味が大好きなことを新しく知ったのだ。
『あ、ありがとうっ！』
月夜は嬉しそうに飴を受け取りニコッと笑った。
だが、千秋と千冬はそんな彼女をポカーンと見つめた。蒼流はそのあまりにもおかしい光景を隣で見ながらくくっと笑った。
「お、お前声が……」
「ありがとうって………」
この部屋に入ってから、手当している間も月夜は声を出さなかった。別にわざとではない。今まで声を出すという習慣がないのだから、仕方の無いことだ。
驚く2人に月夜は少し苦笑いをした。
「え、い、いつから「月夜っ！」
遮られた千秋はまた後でいいかと思い、一瞬にして月夜を抱きしめる白狼に目を向けた。
「月夜っ、ごめんね！僕がちゃんとついていれば…痛かったよねっ。」
目に涙をため、妹の存在を確かめるように強く抱きしめる。
白狼の温もりに安心した月夜はそっと抱き締め返し、彼の顔を見上げた。
そして、その小さい口をゆっくり動かした。
『白狼、お兄ちゃん……』
徐々に目を見開いていく白狼。「え、ぁ…」と声にならない声を発する。
初めて口にした彼の名に心が満たされていく。月夜は思わずもう一度呼んでみた。
『白狼お兄ちゃんっ』
「つ、月夜……声がｯ…！！」
今度こそ言葉を発せた白狼。月夜は嬉しそうに微笑んだ。
『うんっ、…お兄ちゃんが言ったから。…私はちゃんと声が出るんだって……。だから、練習したの。』
「〜〜っそう、そうなんだねっ。やっと、やっと声が聞けた！ああ、どうしよ、凄く嬉しいっ。」
白狼は再び彼女をぎゅっと抱きしめた。千秋達はそれを微笑ましそうに眺めた。
唯一、蒼流だけが違和感を感じた。
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鈴桜(プロフ) - めいさん» 夢主よかった……そして、白狼!!格好いい！！風の神様だからスピードが早いんですね。続き楽しみに待ってます (2020年8月18日 16時) (
レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 鈴桜さん» わあ、嬉しいです！刀剣乱舞じゃないのに、読んでくれるとはっ。頑張ります(￣^￣)ゞ (2020年8月17日 19時) (レス) id: 6cecd18213 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - 新作〜〜!!待ってました。どんな風になるかワクワクしながら読ませていただきます (2020年8月17日 19時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
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