39話 ページ39
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人生で初めてあんなに動き回った月夜は、風呂をあがり、部屋に入った時にはもう動けないくらいグダグダだった。
白狼はそんな妹がまた可愛くてクスッと笑った。既に敷いてある布団に月夜を呼び、横に寝かせた。
「今日は楽しかった？」
サラサラした髪の毛をそっと撫でながら白狼は聞いた。その手が気持ちいいのか、月夜は擦り寄りながらコクっと小さく頷いた。
「ふふ、ならよかった。……月夜、少し聞きたことがあるんだ。いいかな？」
少し真剣な顔つきな変わった白狼に月夜は不思議に思い、コクっと頷いた。
「嫌なこと思い出させるかもしれないけど、許して…。」
『……』ｺｸｯ
察した月夜は何を聞かれるのか色々と想像した。白狼は撫でる手を止め、少し言葉を整理してから口を開いた。
「声が出ないのはいつからか覚えてる？」
『！！………』
少し考えてから月夜は首を横に振った。白狼は「わかった。じゃあもう1つね」と再び質問した。
「 " お前は声がない "、 とか " 声を出すな " とか、村の人達に言われたことある？」
『ぁっ………ｯ』ｺｸｯ
白狼はくっと、怒りを我慢した。千秋の推測はあっていた。彼女は、そう言われ続けて育ったんだ。
怖い顔になった白狼を月夜は不安そうに見つめた。その視線に気付いた白狼は今度は悲しい顔をして、彼女頬に手を当てた。
「月夜、もしかして、自分に声なんかない、出るはずがないとか思ってない？」
『っ？？？』
月夜はまるでそれが当たり前じゃないの？とでも言うように頷いた。
そんなはずない。声がないなんて、器官もちゃんとあるってのに。白狼はふぅと自分を落ち着かせ、そしてゆっくりと彼女と視線を合わせた。
「月夜、それは違うよ。君は声がある、声が出る。出したいと思えば絶対に出せるんだ。」
月夜は目を大きく見開いた。そんな彼女にこれ以上何を話せばいいか分からなくなった白狼は彼女を抱きしめた。
「今日はもう遅いから寝よっか。また今度話そう。」
電気を消し、それ以上何も言わなかった。
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鈴桜(プロフ) - めいさん» 夢主よかった……そして、白狼!!格好いい！！風の神様だからスピードが早いんですね。続き楽しみに待ってます (2020年8月18日 16時) (
レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 鈴桜さん» わあ、嬉しいです！刀剣乱舞じゃないのに、読んでくれるとはっ。頑張ります(￣^￣)ゞ (2020年8月17日 19時) (レス) id: 6cecd18213 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - 新作〜〜!!待ってました。どんな風になるかワクワクしながら読ませていただきます (2020年8月17日 19時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
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