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18話 ページ18

〜白狼side〜


あの森は僕の管轄区域にあたる。

昨日の夜、人間の気配がしたから行ってみた。夜には猛獣がウロウロして危ないからね。そしたら、ずっと探していたあの子がそこで倒れていた。


僕は一瞬信じられなかった。あれだけ探して、まさか僕の管轄区域に来ていたとは。僕は慌ててあの子に駆け寄ろうとした。

だが、その奥には彼女を狙う大熊がいた。彼女に手を出したら殺す。


僕は狼の姿になり、威嚇をした。大熊は少し怯え、慌てて元の道を戻った。人の姿に戻り、今度こそあの子の側まで駆け寄った。


綺麗な銀髪、赤いめ、白い肌、間違えない。僕がずっと探していたあの子だっ。





「…やっと、見つけたっ。」


目があったその瞬間、あの子は気を失った。怪我でもしているのだろうかと不安になった僕は彼女を抱え、屋敷に戻った。









目が覚めたあの子は僕を拒絶した。正直凄く悲しかった。

でも、蘭さんが言っていた、彼女の体の傷は恐らく東の村の人間にやられたんだって。

それなら、見た目が人間な僕達を怖がるのも仕方ないよね。それにしても、この子をこんな風にして……

神の怒りに触れることがどれだけ恐ろしいことか、思い知らせないといけないね。






少しずつ僕達に心を開いてきたのか、僕達が触れてもビクッとするが拒絶はしなかった。

僕はそれがとても嬉しかった。しかも、僕に花冠を作ってくれたんだ。僕を突き放してごめんなさいって。

こんなに優しい子なのに、人間たちは一体どうしてそこまで鬼になれるのか、もはや僕は疑問に思えてきた。






「じゃ、ゆっくり休んでね。何かあったらこの鈴を鳴らして?僕か蘭さん、時和さんがすぐに駆けつけてくるから。」

『コクッ』



彼女を布団に寝かせ、頭を一撫でしてから僕は部屋を出た。

本当はもっと傍にいたいけど、やらなきゃいけない事があるから。







僕は第一屋敷の広間の襖を開けた。中には僕以外の全員が既にそこにいた。





「来たか。では、話してくれぬか?あの子とお主の関係を。」





バクバク鳴る心臓を抑え、僕は息を吐いた。

大丈夫、あの子は僕が守るんだ。ここにいる人達が受け入れてくれなくても…僕だけが絶対に……。






「あの子は、僕がずっと探してきた……

_____腹違いの妹です。」






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鈴桜(プロフ) - めいさん» 夢主よかった……そして、白狼!!格好いい!!風の神様だからスピードが早いんですね。続き楽しみに待ってます (2020年8月18日 16時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 鈴桜さん» わあ、嬉しいです!刀剣乱舞じゃないのに、読んでくれるとはっ。頑張ります( ̄^ ̄)ゞ (2020年8月17日 19時) (レス) id: 6cecd18213 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - 新作〜〜!!待ってました。どんな風になるかワクワクしながら読ませていただきます (2020年8月17日 19時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めい | 作者ホームページ:http  
作成日時:2020年8月16日 22時

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