□階段□ ページ20
春菜ツバメに渡したものは自分の首を絞めるもの。そう、追放署名だ。裏切られた者の気持ちは大きい。勿論この中には彼女の同志のはずだった生徒会の名も。
彼女が消えた、その事実が薄れ始めるほど、短い期間で事件がいくつも起こった。
「ごめんなさい」
氷の南の心を溶かし、春菜ツバメは信頼感を取り戻した。彼女の裏にいた男、雫井彗。彼が初めて姿を現したのもこの時だった。この男の手の上で踊らされていることに俺らは目もくれなかった。
「ああ、彼女の元に戻るか、」
崖っぷちの車椅子から立ち上がって演説をし、春菜ツバメの後援。何も気にもとめなかった。漆黒の黒に見を包む、男。
「A」
俺は聞きなれた名前に振り返った。振り返った先には黒いマントを翻す彼の姿。嘆くようだった、どういうことだ、と聞こうと考えた時にはもう背中は見えなくなっていた。
どういう繋がりなのか、失踪の原因も彼にあるのか。何もわからない。
夏樹「俺は、お前のことを忘れたらいいのか…?なぁ、A」
どうしようもない言葉が足元に落ちて消えていった。
---…
まだ負の連鎖は止まらない。彼女がいない間にどれだけ事が起きたら済むのだろうか。
春菜ツバメが壁を壊して皆で登校する日を誰が予想できたのか。
エミリ-「Aがいれば、全員なのにね」
やっぱり足りないわよ、そういって南も苦笑い。自らの殻を破った彼女も表情が柔らかくなった。まだ見つかっていないの?、南は付け足した。
夏樹「親尋ねたら『私たちの口からはいえない』って頑なに」
本当どこで何してんだか。でも両親の顔は心配色はなく、安堵していた。無事であることには限りない、ただ、あれだけのことをした後だしな。それとも、親と縁を切ったのか。縁を切ったら親は安堵しているはずがない、どういうことなんだ、
考え事に意識を朦朧とさせていると、美森に肩を叩かれた。ちょ、何あれ!、と。それに続いてエミリ-が眉を下げる。
エミリ-「服装検査だって、校則に基づいて」
南「何急に今まで何も言わなかったじゃない」
こんなことを考えるのはあいつしかいない。案の定予想通り、教頭 金時が出てきた。
金時は自主性がどうだ、とあれこれ並べる。
そんなものは知らない、そう思い中に入ろうとすると
「待て」
そう言って鋏を見せた。気づけば後ろには星の姿。校則がどうだ、また言葉だけ並べて面倒臭い。
ごめんA。お前との繋がりがまた1つ減る。
青い髪の毛が空を舞った。
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Mai(プロフ) - 見たい!つづき (2021年10月7日 16時) (レス) @page21 id: c466e4313f (このIDを非表示/違反報告)
ゆいまる(プロフ) - 更新楽しみにしています! (2021年1月3日 13時) (レス) id: a0d73dbad3 (このIDを非表示/違反報告)
りな☆(プロフ) - 一気読みしました!更新頑張ってください!面白いです〜! (2017年5月11日 23時) (レス) id: f0df852b63 (このIDを非表示/違反報告)
??¦菅田 すぬ ?(プロフ) - 美姫さん» ありがたいお言葉頂戴いたします。ハイ!遅くなりますが、更新させていただきます!今後もよろしくお願いします! (2017年4月4日 18時) (レス) id: c8b02da013 (このIDを非表示/違反報告)
??¦菅田 すぬ ?(プロフ) - 東雲さん» ありがとうございます。なかなか更新出来ず申し訳ございません。必ず完結させられるよう頑張ります! (2017年4月4日 18時) (レス) id: c8b02da013 (このIDを非表示/違反報告)
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