□階段□ ページ19
《 赤城Aが消えた 》
あの豹変と叫びから早数日。
彼女は忽然と姿を消した。
あれから彼女の姿を見たものは居らず、彼女が居るのかもわからなくなっていた。
夏樹「…A」
失ってから気づく存在の大きさ。
あれから周りとは打ち解け、笑顔を作れるようになったが、何処が感情が抜け落ちている。それは周りも感じていることだった。
乾いた声でひたすら呼んでも帰ってこない。
『何?なぁ何だよ?』
『夏樹のば-か』
あの声を聞きたい。脳裏に蘇る記憶。嘘だとは思いたくない。
波留「夏樹大丈夫かな…」
美森「Aが居なくなってからずっとああだよ…」
俺らの話題は大切なAが消えたこと。
そして
[生徒会長の演説は偽物
全部スピーチライターが書いていた]
と言う南からのメールだった。
それが出回った翌日から春菜ツバメへの目が冷たくなった。
Aに続く裏切りの発覚。
これは裏切りと言うより、皆の心をうったあの演説が全部他人の言葉だったと言う 嘘 だったことか。
生徒会メンバーは次々と会長に詰め寄る。
「嘘だよね…?全部会長の本当の言葉だよね?」
油森が顔を歪めて問いかける。弁解の間もなく、ストールを肩にかけた南が姿を表した。
南「これあんたのよね?」
見せびらかすように見れるのは演説の際使われていた黒いファイル
スピーチの1行目は聴衆を驚かせて注目を集めるんだってね。
守りたい奴の悪口を言え!!
これ油虫を救った時の言葉よねぇ。
皆でステーキを食え。
バカんなって熱くなろうよ!
汚い大人共泥を食え!
同じ釜の飯を食おう!
南の言葉は刺々しく痛む。でも、何処がAに似ている…
「いいから帰れ」
気づけば俺は静かに怒鳴っていた。タクトによるとオレガノワントーンの時程恐怖心を抱くことはないらしい。
「皆ー今までのことは全部水に流してあげる」
嘲笑って皆に投げ掛ける南。また…あの頃の教室の空気が流れ始めた。
--
プラチナと言う権力をまた振り回し始めた。
先導をきる南。バスもエレベーターも独占状態。…娯楽室の復活
Aが居なくなったことに対し精神的にきている俺ら。更に俺らがかわったきっかけの会長の嘘。たまったもんじゃない。怒りを通り越して呆れている。絶望と、精神の破壊。
陸「魔女狩りをした救世主…」
今の南はまさにそんな感じ。
「あ、あの!!」
この空気を割り込んでくるなんて本当いい度胸だな、
「春菜ツバメ」
ぎろりと睨むと肩を震わせた。
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Mai(プロフ) - 見たい!つづき (2021年10月7日 16時) (レス) @page21 id: c466e4313f (このIDを非表示/違反報告)
ゆいまる(プロフ) - 更新楽しみにしています! (2021年1月3日 13時) (レス) id: a0d73dbad3 (このIDを非表示/違反報告)
りな☆(プロフ) - 一気読みしました!更新頑張ってください!面白いです〜! (2017年5月11日 23時) (レス) id: f0df852b63 (このIDを非表示/違反報告)
??¦菅田 すぬ ?(プロフ) - 美姫さん» ありがたいお言葉頂戴いたします。ハイ!遅くなりますが、更新させていただきます!今後もよろしくお願いします! (2017年4月4日 18時) (レス) id: c8b02da013 (このIDを非表示/違反報告)
??¦菅田 すぬ ?(プロフ) - 東雲さん» ありがとうございます。なかなか更新出来ず申し訳ございません。必ず完結させられるよう頑張ります! (2017年4月4日 18時) (レス) id: c8b02da013 (このIDを非表示/違反報告)
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