□階段□ ページ1
いつもの朝、普段通りバス停に足を進める。
眠たい、呟きながらスマホを操作する。
突然、眠気を覚ますように地鳴りのような音と共に後ろから叫び声がした。
「うぉぉぉおおおお!!」
思わず耳を塞ぐ。耳が痛くなる程の叫び声をあげている声の主は…
あ「本当に来た」
春菜ツバメ。そしてその他大勢の生徒。
これだけの人数が叫びながら走れば地鳴りどころか揺れるんじゃないか?
人数を引き連れて乗った為占領されたバス。
だが、お構いなしに夏樹と波留は中に入る。
私は外からそれを眺め、片耳にスマホを当てた。
夏樹「退けよ」
波留「なぁ、退けっつってんだろ」
窓ガラス越しではあるが、大体口の動きでわかる。
絶対に退きません、とかいったんだろうな。波留がキレて車内の物に当たってるのを見ると。
南「…いいよ。タクシー乗るから」
そう言い、バスから離れる南。夏樹と波留は舌打ちをして乱暴に降りてきた。
玲奈「何なのあいつら」
文句が出るのも当たり前だ。あいつらはこういう《当たり前》を潰しに来てるから。当たり前のことが出来なくなると当然腹が立つのが人間だ。
--険悪の雰囲気が流れる中、それを破るように1台の黒いリムジンが目の前に現れた。
タクト「誰の?」
すると車から1人のスーツを着た男性が降りてきた。その男性はドアを開け、此方へと片手で促す。
「遅くなり申し訳ありません」
あ「南タクシー使わなくていいよ。皆乗って、時間ないし」
疑問を浮かべる皆を無理矢理乗せる。
あ「出して」
「了解致しました」
直ぐ様景色が変わり始めた。
--車内は生徒会や会長への文句が飛び交い、私は肘をつき窓の外を眺めていた。
夏樹「Aありがとな」
あ「あ、うん」
ボー、としていて反応が遅れた。夏樹に返事を返すとまた窓の外を眺めた。
タクト「てか、Aバス乗れないこと知ってたの?」
タクトの一言で空気が静まる
あ「は?」
タクト「だってリムジン呼ぶとか」
あ「…な訳ないじゃん。人多いからバス乗りたくなくて元々呼んどいたの」
適当な嘘を並べ、話を切り替える。
あ「会長早く追放しないと」
そう言うと皆食いついた。陸が策略を話だし周りが環境を整えていくような感じ。タクトの一言にどきりとした。見透かされているような…でも、もう話題性を失った。よかった、と心から思う。皆の話に時折耳を傾けながら、窓の景色とデータに酔いしれた。
彗から事前に聞いてたんだ。
《当たり前を潰す》
って。
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Mai(プロフ) - 見たい!つづき (2021年10月7日 16時) (レス) @page21 id: c466e4313f (このIDを非表示/違反報告)
ゆいまる(プロフ) - 更新楽しみにしています! (2021年1月3日 13時) (レス) id: a0d73dbad3 (このIDを非表示/違反報告)
りな☆(プロフ) - 一気読みしました!更新頑張ってください!面白いです〜! (2017年5月11日 23時) (レス) id: f0df852b63 (このIDを非表示/違反報告)
??¦菅田 すぬ ?(プロフ) - 美姫さん» ありがたいお言葉頂戴いたします。ハイ!遅くなりますが、更新させていただきます!今後もよろしくお願いします! (2017年4月4日 18時) (レス) id: c8b02da013 (このIDを非表示/違反報告)
??¦菅田 すぬ ?(プロフ) - 東雲さん» ありがとうございます。なかなか更新出来ず申し訳ございません。必ず完結させられるよう頑張ります! (2017年4月4日 18時) (レス) id: c8b02da013 (このIDを非表示/違反報告)
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