□階段□ ページ12
次の日。学校では特別採用枠撤廃議会が開かれていた。私の親は…両親共に珍しく議会に参加している。
あ「…本当に来たんだ」
前では夏樹たちの親が決議書にペンを走らせている。私は母親の近くに顔を持っていった。
「大事な議会よ。来る必要があるの」
「仕事の都合はつけてきたから心配するな」
両親はにこりと微笑む。堅っくるしい仕事をしているわりに両親共に人がいい。ああいう社会では上に上りうめるまで人を蹴落とす、そんな行為が普通だと思っていたけど。2人は笑顔を絶やさない。一緒にいられないことからの罪悪感だろうか、私のしたいように環境を整えてくれる。
あ「この後また戻る訳?」
「そりゃ患者さんの為に新しい治療法を探さなきゃ」
「お父さんの仕事で世界が動くんだからな、なんてな」
母親は某大学病院の院長。父親は某大企業の社長。冗談混じりにいっている父の一言は事実だ。
ばん、と突然扉が開き、春菜ツバメ等特別採用枠の生徒が入ってきた。それに気づいた夏樹の親は書き終えていないペンを止め、紙の横に添えた。
「子供同士の戦いに親が決着をつけるな!!」
教頭がまた君たちか、と怪訝そうにいった後、
陸「へぇ本当にやるのこれ」
陸たちが怠そうな足取りで中に入り、私の近くの壁に凭れ掛かった。
夏樹「A来てたんだな」
あ「…両親が珍しく来てたから」
表情1つ変えず前を見据える。そうか、と無愛想に返す夏樹
「子供の世界に勝手に登場して力を奮う大人たち。やっぱりあの子には自分がいないとダメだと驕り笑う大人たち」
「そろそろ気づいてください。誰も貴方たちの子供は頼んでない!」
いきなり会議に乗り込んできた彼女等は此方にとってた話が進まない原因。即ち邪魔である。波留の父親はそんな無意味な行動を起こす彼女等に文句を吐いた。
「会議中だぞ。マナーを知らないのか」
「おい、誰か。この子を摘まみ出してくれ」
続いて陸の親が吐き捨てる。だが、それを遮ったのは春菜ツバメだった。
「いつまでも子供を見下すのはやめてください!」
彼女が叫んだ言葉、見下す…か。
「皆さんは子供の行く道に棘があると1つ1つ丁寧に摘み取って《大丈夫だ》という。沢山の物を与えては《自由に歩け》と微笑む。
どうして気づかないんですか!
それが子供に《貴方は何もできない子だ》と毎日言い聞かせていることなんだって…」
本来なら刺さる言葉は大人には簡単には通用しない。夏樹の親は嘲笑うように言った。
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Mai(プロフ) - 見たい!つづき (2021年10月7日 16時) (レス) @page21 id: c466e4313f (このIDを非表示/違反報告)
ゆいまる(プロフ) - 更新楽しみにしています! (2021年1月3日 13時) (レス) id: a0d73dbad3 (このIDを非表示/違反報告)
りな☆(プロフ) - 一気読みしました!更新頑張ってください!面白いです〜! (2017年5月11日 23時) (レス) id: f0df852b63 (このIDを非表示/違反報告)
??¦菅田 すぬ ?(プロフ) - 美姫さん» ありがたいお言葉頂戴いたします。ハイ!遅くなりますが、更新させていただきます!今後もよろしくお願いします! (2017年4月4日 18時) (レス) id: c8b02da013 (このIDを非表示/違反報告)
??¦菅田 すぬ ?(プロフ) - 東雲さん» ありがとうございます。なかなか更新出来ず申し訳ございません。必ず完結させられるよう頑張ります! (2017年4月4日 18時) (レス) id: c8b02da013 (このIDを非表示/違反報告)
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