ひねくれ兎。【学校のカイダン】 (ページ5)

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□階段□ ページ5

面白いものも見れたし、と早々席を立つ

南「戻るよ」
南が先導をきって講堂の出口に向かう

あ「…眠い」

陸「立ち寝はだめ」
首に釘刺された…

あ「それは流石に…あはは」

タクト「するつもりだったんだな」

あ「バレたか」
タクトは突然走りだした。何かと思えば、夏樹の腕を引いてこちらにやって来たのだ。

夏樹「タクト、どうした」

タクト「夏樹の彼女さんのAちゃん眠いんだって～」

あ「だから?」

夏樹「お前がそれを言ってどうする」

だーかーらー、と語尾を伸ばすタクト

タクト「眠いらしいからおぶって教室まで連れていってあげて」
きゃっ、言っちゃった、と両手で顔を隠すタクト

あ「何、新手の詐欺?それとも突然変異?
タクト、あんた女?地球が爆発する前兆か？！」

落ち着け、と夏樹に肩を捕まれた
ちょっと大声を出しすぎた

タクト「俺マジで泣くから」

「「勝手に泣け」」

酷い…、とショボくれるタクトを横目にさっさと離れる私達

夏樹「そんなに眠いのか」
あ「寝不足なんだよ」
夏樹「どんまい」
あ「誰のせいだか」←
夏樹「Aも楽しそうだったろ」
あ「毎日会えるのに夜中電話って」
夏樹「暇だったから」
あ「暇潰しに使うな」
夏樹「好きだから掛けたんだよ…」

あ「好きだよ」

するとそっぽ向いて口元を手の甲で隠す夏樹
照れているんだろうな

夏樹「てかさおんぶ」
照れ隠しか、いつもにまして低い声

あ「嫌」

夏樹「眠いんだろ、寝たいんだろ?」

あ「断固拒否」

夏樹「折角してやろうと思ったのに」

あ「も、眠気覚めた」

夏樹「あっそ笑」

笑いながらスタスタと教室へと姿を消す2人

離れてみていたプラチナメンバーは思った、
『あの2人のスピード感溢れる会話にはついていけない』と。

---…

教室に入った私。窓側の自分の席に座り、外を見て頬杖をついた
真っ暗の中に1人。底知れない闇の中。
令嬢であることの何がいいのか、解決策が見いだせない、日頃の悩みの種である。

あ「はぁ」
夏樹「また溜め息か」

私の前の席の椅子を勝手に奪い、私と机を挟んで向かい合わせの状態。足がぶつかる程の距離だ。

あ「何か今日のサプライズ規模小さかったな」

夏樹「そうか?」

あ「全員に強制的に投票させたんでしょ」

夏樹「ああ」

あ「新生徒会長、春菜ツバメ。彼女、私達プラチナをきっと壊すよ」

夏樹の顔色が変わり、眉間に皺が増える。

あ「厄介なことになった気がする」

夏樹の小さな舌打ちが耳に残った。