ひ ね く れ 兎 。【学校のカイダン】

□階段□ ページ31

玲奈「だってダサくない?」
と、言いながら笑い出す

南「秘められた禁断の恋はカッコいいけど、バレたら意味ないでしょ。格好悪いわ」

美森「ただの晒しもん的な?」


バカにして笑う皆にエミリーの携帯を握りしめていた拳に力が入る。


あ「連絡ないんじゃないのか?」


私の一言に笑い声が止まるどころか大きくなるばかり。

玲奈「何それ！一方的に彼女と思い込んでただけとか?!」

美森「え、やば！」
ウケる、マジ笑える、と連呼する

そして南は切り捨てる化のように最後の追い討ちをかけた。


南「大体あんた、いつも自分は大人みたいな顔してるけど普段はパパとママに甘えてばっかじゃない」

グサリ、心に突き刺さる冷たい言葉。


美森「もう私たちに近づかないでね〜」
平気で笑いながら酷い言葉を言うけれど、何も思わない。
思わず背筋がピン、と張った。


壺井とエミリーの関係は正直どうでもいい。


居場所が消えたエミリーは私たちに背を向けて娯楽室から姿を消した。


あ「エミリーどうする」

南「あんなの友達じゃない、でしょ?」

南に賛同する2人。勢いで美森はあの2人の関係を暴露し出す。

美森「朝、生徒会のやつらが署名活動してたじゃん?確実にここから消えるってさ！」

小さく跳ねる美森

玲奈「皆あの時ボロクソいってたよね！」

玲奈と美森はワイワイと盛り上がっている。
それを眺めていたら南に名前を呼ばれ一瞬反応が遅れた。


南「A、どうしたの」

あ「何が?」

南「何もエミリーのこと言わないし朝から全然喋らないから」
と、首を傾げる


あ「別に。ただ、壺井冬真はそう巧くはいかない気がしてさ。エミリーがどうするか見ものかな」

教師と生徒。恋愛にルールはない。この2人が付き合っていてもそうじゃなくても私には関係はない。
でも、エミリーのきっかけになった。これを使わないなんて考えられない。一刻も早く手を打たないと。きっと生徒会もエミリーを気にしている。先にエミリーと話をつけないと。


深く考えていた私は、それを気づかれないように皆に背を向けて自分の意見をいった。


南「そう」
興味のない、落胆した返事が返ってきた。

はぁ、と息を吐き出して深々とソファーに腰かける。

あ「それより、誰があんなの流したんだろうな」

南「流してくれたお陰でさようならできる訳じゃない」


検討はついているけど、足元をすくうようなそんな卑劣なことするんだな。彗は…





--あ、私も人のこと言えないか。

□階段□→←□階段□

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す