ひねくれ兎。【学校のカイダン】 (ページ4)

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□階段□ ページ4

そして軽くとんとん、と腕を叩く。背を向け、再び夏樹の隣へ歩いた。
私の言葉の意味はきっとよく解っていないだろう。現在はプラチナ、の位置にいる。元をただせば特別採用枠。そんな矛盾に彼女が気づくとは思えない。

夏樹「さっき、何いってたんだ」

あ「ツバメちゃん?」

夏樹「ああ」

あ「簡単だよ、仲良くしようっていっただけ」
再びヘッドフォンをつける

夏樹「まぁいい」
また口角が上がった

異色の空間に名を馳せるのはきっと、プラチナだからではない。須堂夏樹の彼女、であるからだろう。

---…

教室に荷物をおいたあと、講堂に集められた。
上から講堂を見渡せる、私達プラチナの席。

皆、席に深々と腰かけて足を組む

今日は新生徒会長の発表式である。

全校生徒が集められ、教頭の話が続く。たらたらと繰返ししつこく話続ける教頭が正直ウザったい。
足を組んだまま、頭を前に倒す。カクンカクン、と頭が揺れる。それに気づいた夏樹が肩を叩いた

夏樹「おい…おい」

はっ、と顔をあげる私。眠いなぁと思って目を閉じたらマジで寝てた。寝ぼけた目を手の甲で擦る。そして全校に響きそうな大きさのあくびを1つ。

あ「はぁあ…」

タクト「大あくびの後は溜め息か」

あ「話長いから寝た、首痛い」
そうしてポキポキ、と首を左右に倒す

玲奈「サプライズあるんだから起きときなよ?」
飴をくわえ、幸せそう

あ「サプライズって何」

そういった途端吹き出す皆。前々から言ってたでしょ～?、と怒られる

あ「あー何かあったね」

夏樹「A相当興味ないんだな」

あ「だって、何が起きようと関係ないし」

美森「それ言っちゃダメだよ～、あ、そろそろだよ」
美森は満足そうにそう言った

所詮、この定位置を荒らされなければどうでもいいのだ。

「先日行われた新生徒会長選の結果発表を行います。第50代生徒会長は獲得投票数、599票。春菜ツバメ」

講堂内がざわざわと騒がしくなる。
上から身をのりだし、ツバメちゃんの様子を窺う

予想通り混乱している

玲奈「ほら、呼ばれてるよ」

「春菜ツバメ、早く壇上へ」

あたふたする彼女を強引に押し出す
無理矢理壇上に立たされた彼女は所信表明をするよう要求された

「し、新…生、徒会、長」

言い終える前に彼女の体が揺らぎ、大きな音をたてて体が後ろに倒れていった

ｴﾐﾘｰ「気絶?」
タクト「ウケる」

ダサ、とドキツい言葉を投げ掛ける皆

あ「これがサプライズか」

意外と規模小さいな、と嘆いた