ひねくれ兎。【学校のカイダン】 (ページ20)

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□階段□ ページ20

生徒会室では事情聴取が行われていた。
教師同伴で私らも遠回しに彼らを囲んで見ている

「窃盗と言うことになれば脇谷も退学は逃れられない」
壁に凭れよーく考えろ、と言う教師

「通報をくれた彼女の話では貴女が盗んだことは生徒会全員が知っていたということなんだが…」

警察官の言葉にｴﾐﾘｰ達が更に追い討ちをかける

ｴﾐﾘｰ「黙ってないで答えたら?」
美森「黙ってるってことはグルっとことだよ」

生徒会全員が黙りこむ

「私が…」

突然春菜ツバメは前に出てこう叫んだ

「全部、全部私がさせたことです！」

我らの思うツボに入り、会長が全責任を追い、一応事情聴取の幕が降りた

---事件は起こる。少しずつ、微かながらも着実に春菜ツバメとその裏で動く彗が学校を変えようと行動を起こしている

私も気づかれないように計画を進めていくとしよう──

昼食時間、事は起きた。

昼食、いつも通り並んで階段を降りる
否、いつもと違うのが1つだけ。

目の前にいる生徒会の奴等。夏樹が退けといっても言うことを聞かず、振り返って笑うと硬貨を入れてピッ、と音を鳴らした
列が入れ替わり、また音がする

そして我らの席に移動し、

「でりしゃーす！」

不馴れな英語を堂々と使う会長
苛立つ夏樹は他の生徒のテーブルと椅子を蹴り飛ばした
ガタガタと崩れ落ち、生徒の顔が険しくなる

波留「ふざけんな」

くるり、と方向転換して階段に向き直る
乱暴な歩き方で娯楽室に戻った

ばん、と乱暴に娯楽室のソファーを蹴る

玲奈「腹立つ…」
ｴﾐﾘｰ「発音間違ってるのよ。気安く使わないでほしいわ」

タクト「本当にあいつらムカつく」

美森「ほんっとうにウザいんだよ！有り得ない、逆らうとか！」
美森が大声で当たり散らす

陸「永久追放、確定だな」

あぁ、と波留が頷く

南「また別のやり方で必ず追放してやるわ」
腕を組んでそう言う南。ジャケットの袖の皺がいっそう増えた
夏樹は無言だが、眉間に皺が増えるばかり

…それより
あ「腹減った」

玲奈「A呑気すぎ」

あ「腹が減っては戦はできぬ、って言うじゃん。このまま頭かちこちで考えても答えは出ない、何か食べてから考えよう」

陸「Aの考えも一理ある」

陸が珍しく賛同してくれた。はぁ、と組んでいた足を戻し立ち上がるタクト

タクト「何か食いに行くか」

賛成、と立ち上がるｴﾐﾘｰ
夏樹も重い腰をあげて立ち上がる

娯楽室から出た私らはその日一日学校に帰ってくることはなかった。