ひねくれ兎。【学校のカイダン】 (ページ24)

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□階段□ ページ24

外のゴールで軽くシュートするタクトと波留
夏樹は木の幹に凭れ、陸は読書中

南や玲奈達は世間話…と言うか雑談中

私はというと、タクトと波留とバスケしてます。こう見えてもバスケできる方なんです

タクトが余所見してパスしたボールを顔面すれすれで受け取る

あ「タクト危な」

タクト「…あ、悪ぃ」

一瞬何かにつけて取り付かれていたようだった。

夏樹「つまんねぇな。何か面白いことねぇの?」

不機嫌そうな夏樹にすかさず意見を挙げる波留

波留「じゃ、卓球部でもからかいにいく?」

波留の提案にのる皆

美森「何それ！超良いじゃん」
何だか楽しそうに飛び跳ねる

だけど1人だけ違う空気がいた。

少し顔を歪めるタクト

タクト「…俺パス、帰るわ」

夏樹「あーお前今日塾だもんな」
怠そうに肩を回す

波留「お前の親超うるせぇもんな」

ああ？、と波留の襟ぐりを掴みかかるタクト

あ「タクトやめなさい」

夏樹「お前は母親か」
あ「つっこむ所違ぇよ」

波留は冗談だって、マジになるなよ、と顔色を変える

夏樹「ほっとけ。こいつ時々熱くなっからよ」

そう言って夏樹達はそこから去っていった

あ「タクト大丈夫?」

タクト「俺帰るわ」

肩を落とすタクト
その姿は何か寂しげで何か言いたげで。

だけど何も手を差しのべてあげられない自分が虚しい。

「タクト」

気づいたときには声に出ててタクト振り返って首を傾げる

あ「…余り自分に嘘つくなよ」

タクト「は?Aどしたの」

あ「いや、別に…」

私の顔を不思議そうに見つめるとふいっと帰ってしまった。

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荷物を片手に学校を背にする。
携帯を触りながらたらたら歩く

と、背中にとん、と何かが当たった。何かと思い、後ろを向くと夏樹

あ「どした?」

夏樹は歩きスマホはダメですよー、と私の携帯を奪う

夏樹「ほら、とってみろよ」
ふっ、と笑いながら携帯を私の頭より高い位置でぷらぷらとぶら下げる

あ「夏樹の方が背ぇ高いんだから届かないっつーの」
腕を名一杯あげて携帯を取り返そうとする

口元を押さえ、腹を抱えて笑う

あ「も、携帯返せ」

強引に笑っている夏樹から携帯を奪い返す

夏樹「ごめんごめん」
顔を目の前に手をあげて謝る夏樹

あ「何か奢ってね」

夏樹「はぁ?」

珍しく声をあげる彼に、思わず笑いが込み上げたが、グッと押さえて夏樹より前を歩いた。

先を歩く私を追いかけるように早歩きで来る夏樹

--いつからか、私らは並んで帰るようになっていた。