悪魔の娘と出来損ない (ページ8)

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５話　修練ページ8

あの後にジェルマの兵士達が来て、私を強制的に連れ出してから数ヶ月が経っていた。

お母さんとお父さんがどうなったのか、あの国はどうなっているのかは私は知らない…。

だが、私は薄々気付いていた…あの国はもうないと…滅ぼされていると……。

ここでの日々はいつも決まっている。
予め決められた時間になると国王のジャッジが直々に剣術、暗殺術、能力向上の修練を密かに私に行うということを。

「セラティア！今日も修練を行う。」

「分かった……。」

「親から聞いてるだろう。あれは全て真実だ！お前を作り出したのはこの私だ！」

「……。」

「お前は……最高傑作なのだからな！」

「……。」

「ここでは力が全て！！これからは私に従って貰う！覚悟しておけ！」

自慢げにジャッジが話しているのを聞いて呆れて言い返す。

「そんなこと…くだらない…。さっさとはじめて！」

「ほぉ……いい意気込みだ！」

ジャッジはこの場で見ているだけで、本来修練の相手をするのは兵士達だ。

「お前達！前へ出ろ！」

「はっ！！！」

私は刀を手に、構えていつでも攻撃出来る態勢を取る。

「そいつらを殺すまで、この部屋から出れないと思え！私は外で待つ。終わったら出てこい。」

そう言って、ジャッジは部屋の外へと出ていく。

「セラティア様！手加減は要りません！全力で掛かって来て下さい！」

(この人達……どうかしてるわ！)

「はぁぁあ！！！」

刀を振り回し、斬りかかるが当たらない。

「その程度では、私達には勝てませんよ！」

(ムカつく！ここの人達は何かおかしい…私は、こんな奴等になんて負けてたまるか！！)

負けたくない…と強く思って、自然と能力を使っていた。

「言霊…命ずる。お前達は死ぬまで斬り合え！」

その言葉と同時に、二人の兵士は私に向けていた刀を向き変え、二人で斬りあった。

気づけば地面に血が飛び散り胴体が切り裂かれた死体が転がっていた。

私はその場に呆然と立ち尽くしてるだけで、何が起きたのか理解が出来なかった…。

物音が聞こえたのかジャッジが部屋の中に入って来て嬉しそうに言う。

「おぉ！これはお前がやったのか！武器を使わず倒すとはさすがだ！！やはりあの出来損ないとは違う！」

「……。」

「期待してるぞ！！」

そういうとジャッジは私を置いて立ち去る。