悪魔の娘と出来損ない (ページ22)

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１９話　知らない人ページ22

サンジは足りなくなった料理の材料を買うため、店を探して町を歩き回っていた。

「クソっ…ここ、広すぎるぞ！！！」

通りを抜けた先で兵士達が誰かを追いかけていた所に遭遇し追われていた人とぶつかって倒れる。

「うおぉ！！！」ドンｯ！！！！

「ｯ！！いってぇな！！！どけ！早く！！！」

ぶつかってきた人は、マントにフードを被っていてその姿ははっきりとわからない。

「あっ！わ、わりぃ…！」

(口悪いなっ！！男か？それともレディ…いや、それはないな。)

二人して地面に倒れている間に兵士達に囲まれていた。

「追い詰めたぞ！！！！！」

「……。」

「おまえ！！！何か言ったら、どうだ！！！」

「……。」

(おいおい、俺は巻き込まれる筋合いねぇぞ！)

隙を見て、その場から逃げようとしたら手を取られ一緒に逃げることになった。
　

「えっ！！！ちょっ待ってって！！俺を巻き込むな！！！」

一通り走り抜けた所は、誰一人としていない整備もされていない荒れた街並みだった。

「ここ…なんだ…どこだよ……。」

「…この光景見て、何も思わない…なんて…ことはないよな？」

「ひでぇ荒れようだけど、それより俺を巻き込むなって言ったよな？お前、誰なんだよ！！！名前ぐらい教えてくれてもいいんじゃないか？」

「だれ…か…そう…だよな。私の名はセラティア……久しぶり、といっても貴方は私を忘れている。」

そう言いながら、フードを外して見せた。

目の前にいる人物が男ではなく女であったことより、俺を知っていると言っていることが理解できなかった…

でも、彼女が寂しそうに、悲しそうにしているのが気になって仕方がなかった。