悪魔の娘と出来損ない (ページ16)

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１３話　数ヵ月後ページ16

サンジが要らない存在として扱われてから数ヵ月が経った。

私はジャッジとの条件通り戦争に参加して能力で圧倒し、多くの国を破壊していた。

戦争が終わり戻ると必ずサンジの元へ行く…それが習慣になっていた。でも様子を見守るだけで会うことはしなかった。

今日もサンジの元へに行こうと地下の階段を降りたら、壁に背をつくレイジュの姿があった。

(……なに、してるのかな？)

私はバレないように隠れて、レイジュが見ている方へと目を向けるとサンジとイチジ達がいた。

「見ろよ、やっぱりサンジだ！」

「ホントだ、間違いねェ…！」

「！？」

(ここが…バレたのね…。)

「生きてたのか！コイツ！父上は、なんであんなウソを。」

「死んでほしいからだろ。」

「じゃあ本当に死んだら、父上は喜ぶか
な！！」

イチジの手には鍵が握られていた！

「出来損ないだもんな！！」

サンジは殴られながら、声を殺して泣いていた。

そんなサンジの姿を見て、私は自分の手首を握り締め血が出るぐらい力を入れていた…。

(悔しい……見てるだけなんて……。)

(私は…サンジの為に何か出来ないの…。)

イチジ達が去ったあとレイジュは、サンジの元へ向かっていた。

レイジュはサンジの手当をしながら話していた。

「私を味方だなんて思わないでね！」

「巻き込まれるのはイヤ！！」

「あの3人こそお父様の理想の戦士…かわいそう…とか…悲しい…とか思う感情がないの。」

「体の改造は私も成功してるけど…あいつらとは底が違う。」

私はレイジュの話しを聞きながら、考えていた。

(感情が欠落しているから、理想の戦士だと言うの？)

「そうだ。もうすぐ赤い土の大陸を登るの。」

「東の海で戦争があるからよ…。」

(東の海……また戦争…。)