検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:3,459 hit

世界観【必読】 ページ1

都市に近く、山にも近い中間点にある喫茶店、”ガラス”。

綺麗とは言えないが、アンティークの雑貨達がいつも丁寧に手入れされており、清潔感はある。また昔ながらの雰囲気、製法、店内に心を奪われた。
テーブル席が四個とカウンター席が十席の小さな喫茶店は何時も、コーヒーや紅茶の香りが漂う。
赤いカウンター席の椅子に腰を下ろし、厨房にいるであろうマスターを呼ぶ。

「はいはい、いらっしゃい」

腰を曲げ、足を震わせながら笑顔で迎えてくれるマスター。マスターの笑顔は可愛らしく、一日の疲れが吹き飛んでしまいそうだ。取り敢えず一目散にコーヒーと”__”を頼む。
そろそろ何時もの、って頼んでも良いか尋ねれば、誤魔化すように笑われてしまった。コポコポと熱々の熱湯を注ぐと、次第に香る良い香り。コーヒーに厳しい父も思わず通っているほど、美味しいのだ。ここのコーヒーを飲んでしまっては他のところなど飲めないだろう。

「はい、コーヒーね」

所々汚れているコーヒーカップも味がある。口に含めば苦味が広がり、染み渡る。ただの苦味ではなく、美味い苦味だ。

マスターと他愛のない世間話を話していれば、コーヒーカップはもう空だ。底には長年使っていたのか、少しだけコーヒーの汚れが残っている。マスターに会計を頼もうと思ったが、そういえば忘れていたメニューがあった。

「嗚呼そうだったね。はい__お水」

何処にでもある、お水のグラス。お絞りと一緒に出されるあの水だ。一気に飲み干せば、相変わらずそれだけ、そのグラスだけ底が綺麗だった。汚れも何も無い、見えるのは天井のシャンデリアだ。
相変わらずこれだけ綺麗だ、と皮肉を込めて笑えばマスターは照れたように笑った。

今ならなんでも見える、とはこのグラスを指すのだろう。





此処は喫茶店、”ガラス”。
コーヒーカップより、ティーカップより、全ての食器よりも綺麗なお水のグラスがある喫茶店。

用語【必読】→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:募集企画 , キャラ募集企画 , 募集中 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みくろ(プロフ) - 案外遅くなってしまいました…テンプレ出来ました!ご確認の程、よろしくお願いします。http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Enabeen15/ (2018年9月30日 21時) (レス) id: b7d8558a85 (このIDを非表示/違反報告)
くまねこ。 - http://uranai.nosv.org/u.php/novel/garasu-oubo ちょっと誤字がありました。こちらが正しいと思われます。 (2018年9月26日 0時) (レス) id: e1e03b0ec4 (このIDを非表示/違反報告)
くまねこ。 - http://uranai.nosv.org/u.php/novel/qarasu-oubo/です。 書き忘れてたのですが、ツンデレなのは初対面の方のみです。確認お願いします。 (2018年9月26日 0時) (レス) id: e1e03b0ec4 (このIDを非表示/違反報告)
スピカル@引退間近(プロフ) - ●龍●さん» 返信遅れて申し訳ないです。遅くはなりますが作品に記入させていただきます (2018年9月25日 21時) (レス) id: f5a1a44351 (このIDを非表示/違反報告)
スピカル@引退間近(プロフ) - くまねこ。さん» 返信遅れて申し訳ないです。テンプレート作成お願い致します! (2018年9月25日 21時) (レス) id: f5a1a44351 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:スピカル | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年9月15日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。