世界観【必読】 ページ1
都市に近く、山にも近い中間点にある喫茶店、”ガラス”。
綺麗とは言えないが、アンティークの雑貨達がいつも丁寧に手入れされており、清潔感はある。また昔ながらの雰囲気、製法、店内に心を奪われた。
テーブル席が四個とカウンター席が十席の小さな喫茶店は何時も、コーヒーや紅茶の香りが漂う。
赤いカウンター席の椅子に腰を下ろし、厨房にいるであろうマスターを呼ぶ。
「はいはい、いらっしゃい」
腰を曲げ、足を震わせながら笑顔で迎えてくれるマスター。マスターの笑顔は可愛らしく、一日の疲れが吹き飛んでしまいそうだ。取り敢えず一目散にコーヒーと”__”を頼む。
そろそろ何時もの、って頼んでも良いか尋ねれば、誤魔化すように笑われてしまった。コポコポと熱々の熱湯を注ぐと、次第に香る良い香り。コーヒーに厳しい父も思わず通っているほど、美味しいのだ。ここのコーヒーを飲んでしまっては他のところなど飲めないだろう。
「はい、コーヒーね」
所々汚れているコーヒーカップも味がある。口に含めば苦味が広がり、染み渡る。ただの苦味ではなく、美味い苦味だ。
マスターと他愛のない世間話を話していれば、コーヒーカップはもう空だ。底には長年使っていたのか、少しだけコーヒーの汚れが残っている。マスターに会計を頼もうと思ったが、そういえば忘れていたメニューがあった。
「嗚呼そうだったね。はい__お水」
何処にでもある、お水のグラス。お絞りと一緒に出されるあの水だ。一気に飲み干せば、相変わらずそれだけ、そのグラスだけ底が綺麗だった。汚れも何も無い、見えるのは天井のシャンデリアだ。
相変わらずこれだけ綺麗だ、と皮肉を込めて笑えばマスターは照れたように笑った。
今ならなんでも見える、とはこのグラスを指すのだろう。
此処は喫茶店、”ガラス”。
コーヒーカップより、ティーカップより、全ての食器よりも綺麗なお水のグラスがある喫茶店。
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みくろ(プロフ) - 案外遅くなってしまいました…テンプレ出来ました!ご確認の程、よろしくお願いします。http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Enabeen15/ (2018年9月30日 21時) (レス) id: b7d8558a85 (このIDを非表示/違反報告)
くまねこ。 - http://uranai.nosv.org/u.php/novel/garasu-oubo ちょっと誤字がありました。こちらが正しいと思われます。 (2018年9月26日 0時) (レス) id: e1e03b0ec4 (このIDを非表示/違反報告)
くまねこ。 - http://uranai.nosv.org/u.php/novel/qarasu-oubo/です。 書き忘れてたのですが、ツンデレなのは初対面の方のみです。確認お願いします。 (2018年9月26日 0時) (レス) id: e1e03b0ec4 (このIDを非表示/違反報告)
スピカル@引退間近(プロフ) - ●龍●さん» 返信遅れて申し訳ないです。遅くはなりますが作品に記入させていただきます (2018年9月25日 21時) (レス) id: f5a1a44351 (このIDを非表示/違反報告)
スピカル@引退間近(プロフ) - くまねこ。さん» 返信遅れて申し訳ないです。テンプレート作成お願い致します! (2018年9月25日 21時) (レス) id: f5a1a44351 (このIDを非表示/違反報告)
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