企画7 倉橋のターン ページ21
「雪だー!!迅!!A!!暇なら外に行くぞ!!」
陽太郎が私と迅さんが寝ていたベッドにダイブしてきた。
「「ぐえっ…」」
「おーきーろー!!」
私たちは昨夜防衛任務だったため、明け方に帰ってきてそのままベッドに入ってしまった。
「うるさいなー…」
「うーん…」
無視してると小南先輩につまみ出され、再び私たちは静かな眠りについた…
はずだった。
迅さんside
「迅…A…そろそろ起きろ。もう10時だぞ。」
陽太郎が小南に連れ出されてからそう経っていない。
「………んぇ？レイジさん？」
「いつまで寝ているんだ」
おれは機嫌が悪かったんだと思う。
「あのさぁレイジさん、おれら昨夜任務だったんだけど？」
史上最悪の表情を浮かべていた気がする。
「だからどうした？」
………おれの史上最悪はレイジさんに勝てなかった。
「ゴチャゴチャ五月蝿いな…」
背後で聞いたことの無い声がし、レイジさんがぎょっとしながらおれの背後を凝視した。
「「…………!?」」
他でもないAだった。多分これが魔王だろう…
「う…」
「迅…何とかしろ…」
レイジさんがタジタジだ。
「Aさん…落ち着いて…ね？」
撫でてやると…
「……迅さん…」
目がトロンと垂れた。何この可愛い子
「…………ふわぁ……眠いなぁ…ってもう10時!?」
Σ( ^ω^ )…ﾅﾝ､ﾀﾞﾄ……?
「Aさん？」
「何ですか？」
いつも通りの穏やかなAだ。
「朝飯にするか」
「そうですね。迅さん、朝ごはんにしましょう。」
おれの彼女寝起き怖い説
「積もってますね〜」
「うーん、やっぱ予測どおりか〜」
クソ寒いのに何故か散歩中だ。
「A〜身体冷やすなよ〜」
おれはしゃがんで雪を触っているAに声をかけた。
「なにやって……！おっと…」
突然白い塊が飛んでくる未来が見えて避けた。
「……避けられた…」
Aは雪を投げ続けた。
「当たらないよ〜？おれのサイドエフェクトがそう言ってるも〜ん」
なーんて煽ってみるのも楽しい。
「あー…疲れたぁ…」
しばらくするとAは雪の上に大の字に寝そべった。……まったく…顔立ち綺麗なのにどうしてそうたまに似合わない行動をとるのかな〜
とか思いつつおれも隣に寝そべる。火照った体にひんやりした雪の感覚がなんとも心地いい。
「たまにはいいですね。こういうのも」
たまにはいいかもね。暗躍しない日ってのも。
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作者名：☆黒猫☆ | 作成日時：2018年9月26日 19時
