歩み【NO SIDE】 ページ12
長い沈黙。
その末に、ギルガメッシュは口を開く。
「いいだろう」
ただ一言。ただ一言だったが、Aにとっては大きな１歩であった。
その途端に、キャットの英霊憑依が解ける。
「確かに此度の危機は我たちの甘さが招いた事ではある。だがな、雑種」
赤い瞳が、Aの瞳を捕らえる。瞳孔がやや細くなり、AであってAではない何かを見つめているようだった。
「我をもっと頼れ。……まあ我だけでなく、他の英霊たちも含めてだがな」
あ、まだこれ根に持たれてるパターンだ。とAは思ったが口にはしなかった。が、不幸なことに表情には出てたらしく、デコピンをされた。
また、ギルガメッシュは「どこぞやの自称花の魔術師を除くがな」とニヤリと笑う。
Aや神無、他の英霊たちがこぞって驚く。
神無はそもそも知り合って間もなかったのだが、ギルガメッシュが(どんな意味であれ)笑顔を浮かべるのは、初めてであった。いつもしかめっ面をしているギルガメッシュは、常にAが危険に晒されるような事をさせないように、と気を張っていたのだ。
これ以降、更に危険に晒すような事だとは思うが、それでも最初期、それこそ出会った頃のAよりしっかりと二本の足で立つAを見て、成長を感じたのだ。出会った当初は、不安定な存在であり、自分の殻に閉じ籠りきっていた故に戦わせたくないと思っていたが、いつの間にか真っ直ぐな目をするようになった。……それでも、まだ誰かを頼る、という事は難しいようだが。
Aは１歩踏み出した。自身を包む殻の中から、１歩だけ。ならばこちらも変わらねばなるまい。そうギルガメッシュは感じたのだ。
今はただこれだけでいい。
戦う力を得たいと願い、頼ろうとした事だけでいい。
例えこれ以外で頼ろうとせずとも、ゆっくり少しずつ、歩み寄ればいいのだ。
誰にでもペースがあるように、Aのペースで、時に強引に。お互いを信じられるものだと、この時の事を思い出話の肴にできるように。
いつか心の底から笑い合える──そんな日を夢見てギルガメッシュは目を細める。
例え、その場に己自身がいなくとも。
終わり
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夢陽炎(プロフ) - yosiakiさん» あげしておめでとうございます！今年もよろしくお願いします〜！(^-^) すいません、半分ほどノリで入れてしまいました笑笑 これから活躍してくれると思います！（他人事） まだぐだぐだと続きますが、よろしくお願いしますm(_ _)m (2021年1月17日 3時) (
レス) id: 0641bc39eb (このIDを非表示/違反報告)
yosiaki(プロフ) - あけましておめでとうございます。続編ですか！！主人公の英霊にグっちゃんパイセンと理性がぶっ飛んだライダーがｗｗｗ (2021年1月15日 19時) (レス) id: a7a468ee56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢陽炎 | 作成日時：2021年1月3日 2時
