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[魔族]貪り尽くすは極上の味 ※裏&グロ注意 ページ45

一際大きな嬌声の後で、彼女の上に倒れ込む。
「もっと、食べさせて…。」
「まだ足りないの?これだけしたのに。」
「貴女が食べてきた分の釣り合いが取れないのよ…!」
「…ふふ、仕方無いわね。」
吐息混じりの会話の後で、ルカが体を起き上がらせる。
座った状態で脚を絡ませ合うと、再び律動が始まった。

魔物と言う種族は、体の一部がどの様な条件で消えても
大部分が残っていればすぐに再生させる事が出来る。
更に言えば、一部の魔物は死ぬ事が出来ない。
例えば私達なら、ヴァンパイアは該当しないがサキュバスは該当する。
だからこそ私は、生きている内に彼女の記憶に残りたい。
首筋を軽く噛むと、甘い声が鋭くなって部屋中に響いた。
「そろそろ、良いかしら…?」
「えぇ、覚悟は出来てるわ…。
んぁっ…早くぅ!」
ぞぶり。
彼女に左腕に強く牙を立て、ぎりぎりと動かす。
傷が深くなり、その血を顔中に浴びる。
ちゅるちゅると音を立ててそれを吸いながら、更に牙を進める。
それでもルカは、痛いなどと言わなかった。
それも私からの愛だと分かってくれていて、
律動の一つとして昇華しているから。
骨が完全に折れて彼女から片腕が無くなると、
大きく口を開けてその腕を食べ進める。
するとすぐに、新しい腕が彼女の切り離された痕から生成された。
数分前までと何も変わっていない、細くて綺麗な腕。
両腕で私を強く抱き締め、まだ疼くだろう左腕の
付け根の痛みを感じながら気持ち良さそうな声を上げる。
指まで呑み込むと、更に腰の動きを速めた。
「リヴィー、イク時は一緒よぉ…っ!」
「随分と可愛い事を言う様になったわね…っ。
なら、キスして…!」
彼女から激しめに口付けられ、口内までもを摩擦し合う。
ルカからのリクエスト通り、互いの愛を
強く感じ合ったままその日は終わった。

「あんな血塗れのキス、良く堪えられたわね。」
「慣れるしか無いわよ。ヴァンパイアの恋人ですもの。」
おはようの挨拶の次にする会話では決して無いが、
私達の生活ならば充分に有り得る。
「朝ご飯、どうする?」
「要らないわ。まだ眠っていたいの。
所で…、昨日の私は美味しかったかしら?」
「ええ、極上だったわ。」
眠そうな柔らかい声に、掠れた声で返す。
「もっと食べたいけど、貴女が居なくなる方が嫌だから止めたの。」
「そう…。」
短い返事に、優しい笑みが重なった。

…ルカ。もし私に寿命が来たら、出来る事なら
貴女を残らず胃の中に収めてから追い掛けたいわ。

初めてでただ一人のお姫様→←解いたその手で抱き締めて



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設定タグ:百合 , 短編 , オリジナル   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年12月7日 19時

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