ガールミーツナイト《ars/j.m/0830》 (ページ45)

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Episode7 -5 ページ45

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その日の放課後。

智くんから到着が遅れるという連絡を受けた私が教室で小梅ちゃんとおしゃべりをしながら時間をつぶしていると、いつだかのように一人の生徒がやってきてこう言った。

「ねぇ、上条さん、貴女を待ってるっていう人が来てるわよ」
「え？」

思わず小梅ちゃんと顔を見合わせる。

それから同時に窓の向こうへと目をやった。

ここから見える正門には以前の様な人だかりはできていない。

「Aさん、どうしますか」

「……とりあえず行こう」

もしかしてもしかしたら、潤くんかもしれない。

そんな淡い期待も入り混じりつつ私は小梅ちゃんと一緒に教室を出た。

正門に近づいても前の様な人だかりはない。

私と小梅ちゃんは顔を見合わせて、いぶかしがりながら正門に近づいた。

「よお、松本の知り合いのお嬢様ってのはあんたか」

「……どちらさまですか」

「そんなに警戒すんなって、俺たちは松本の知り合いだよ」

私を見つけるなりガラの悪そうな男の人が近寄ってくる。

一応は浮かべられているうさん臭い笑顔を見ながら私は小梅ちゃんを手で後ろへと押しやった。

ずいと前に出て、顔を見渡す。

三人。

全員年上だと思う。

そしてとても潤くんの友達とは思えない。

「松本が呼んでるからさぁ、ちょっと来てくんないかな」

別の一人がそう言いながら私に手を伸ばす。

「やめてください」

私は掴まれそうになった手を身体ごと後ろへ引っ込める。

大丈夫…ここは名星華の正門前。

派手なことはできないはず。

「ちっ…松本が呼んでるって言ってんだろ！」

真ん中の男がイラついたような声を出す。

その声を聴いた生徒たちがパラパラと校舎の方へ駆け戻り始めた。

「Aさん、守衛さんを呼んできましょう」

小梅ちゃんに言われて気が付く。

そういえばいつもいる守衛さんがいない。

その言葉を聞いた途端、三人の男が急に襲い掛かって来た。

「小梅ちゃん下がってて！」

「ほらお嬢様、来いっつってんだろ…！」

「やめてっ…離して！」

「Aさん！」

「いいから小梅ちゃんは学校の中に戻って！」

小梅ちゃんに向かって叫ぶ間にもぐいぐいと引きずられる。

小梅ちゃんの声が背中に届いていたけれど、それに返事をするまもなく私は三人がかりで学校から引き離されてしまったのだった。

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