ガールミーツナイト《ars/j.m/0830》 (ページ35)

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Episode6 -3 ページ35

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待ち合わせに指定された駅前のオブジェのところに着くと和くんは開口一番こう言った。

「執事さんは大丈夫なの」

「大丈夫じゃないと思う」

だいぶ無理があったろうけど、ほんのちょっと家の周りを散歩してくるで押し切ってきた。

雅紀は自分もついていくと言っていたけど一人になりたい気分だからと言い切って置いてきた。

午前中の私の様子があったからか雅紀は意外にも私を一人で散歩に行かせてくれたのだけど。

まぁつまり、このまま和くんと一緒に出掛ければ確実にピアノのレッスンをさぼることになる。

「レッスンさぼって平気なの？」

「平気じゃない…けど……」

だけど、どうにも今日はピアノのレッスンができる気分じゃなかった。

この憂鬱な気持ちは家にいるよりも潤くんに会いに行った方が晴れるのではないかと思う。

「いいの。二人に会いたかったから」

「へぇ、いいね。俺はそういう方がいいと思うよ」

ニヤリと笑った和くんは「こっちだよ」と先に歩き出す。

和くんに連れられてやってきたのは商店街にある喫茶店だった。

純喫茶と呼ばれる類であろうお店に入るとウエイターの男性が寄ってくる。

「いらっしゃいま、……げ、和…と、A？」

「こんにちは、潤くん」

「連れてきちゃった」

ペロッと舌を出しながら和くんがおどけると潤くんがむんずと和くんの襟ぐりを掴む。

「ちょっとこい」

「いやいや潤くんほかのお客さんの迷惑になるか、」

「A連れてくるなら先に言え…！」

「だってサプライズの方がいいでしょ」

私にはよく聞こえなかったけど和くんがニヤニヤ笑ってて潤くんが凛々しい眉を寄せている。

私、来ない方がよかったのかな？

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