ガールミーツナイト《ars/j.m/0830》 (ページ22)

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Episode4 -4 ページ22

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そんな潤くんのことだから、その願いを無碍にはできなかったのだろう。

潤くんらしくてほほえましい。

「まぁ詫びってわけもないけど、これやるよ」

「あ、もしかして」

「そ。残ったクッキー…違うな、お前の分も焼いてきた」

「ありがとう潤くん！」

以前潤くんにもらったクッキーはとても美味しかった。

バターや砂糖の甘さもそうなのだけど、何よりも温かみあふれる手作りのクッキーとそこに込められた想いが嬉しくて胸がいっぱいになりながら食べた。

たまに雅紀にクッキーやケーキをねだることもあるけど、それとはまた違う温もりだった。

「えー、いいなぁ、潤くん俺のは？」

「お前のはねぇよ」

「ケチ！護衛したのに！」

「はいはい、さんきゅー」

「潤くんがそんな態度ならいいよ。Aちゃん、俺にもちょうだい」

「ダメに決まってんだろ」

「いって！」

私に向かって手を差し出した和くんの頭を潤くんが強めの勢いではたく。

大げさに痛がる和くんは私を見てニヤリと笑うとその顔のまま潤くんを見上げた。

「いいよもう、わかったよクッキーはあきらめる。代わりに俺もお嬢様口説いていい」

「もっとダメに決まってんだろ！」

バコンとまた潤くんが和くんの頭を叩く。

さっきよりも強めの音がして和くんが顔をしかめる。

「いったいな！…潤くん、心の狭い男は嫌われるよ」

「言ってろ」

何やらよくわからないけれど言い争いを終えた潤くんが私の腕をつかむ。

「よしA、行くぞ」

「う、うん」

「あ、置いてかないでよ潤くん」

強い腕に引っ張られてゲームセンターの自動扉をくぐる。

追いかけてきた和くんと三人で中に足を踏み入れると溢れんばかりの様々な音が身体を包み込んだ。

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