ガールミーツナイト《ars/j.m/0830》 (ページ3)

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Episode1 -3 ページ3

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案の定だけど、自宅で待っていた執事の雅紀は火が付くような勢いでお小言を吐き出した。

それでも私は「私の勝手でしょ！」と雅紀に言い放って未だにぽかんと口を開けている彼の背中を押した。

「ほら入ってください」

「いいですかお嬢様、本宅から離れているとはいえお嬢様には上条家令嬢としてのふさわしい振る舞いが、」

うんぬんかんぬんと言い続ける雅紀の横を彼を連れてすり抜ける。

「すげぇ家だな…」

「そうですか？まぁ二人で住むには大きいですよね」

「二人？こんなバカでっかい家にかよ」

「はい。私と彼、執事の相葉しか住んでません」

「執事って現実にいんだな…」

「お嬢様聞いてますか」

まだ何か言っている雅紀を智くんが「まぁまぁまぁ」と廊下へと押しやっていく、さすが智くん、私の味方。

彼をリビングのソファに座らせて私は救急箱を手に彼の前に膝をついた。

「なあお前、俺みたいなの家にあげていいのかよ」

「いいんです、私の家ですから」

「でもお前お嬢様だろ。俺みたいなん怖くねぇのかよ」

「怖い…？どうしてですか？」

「……いや、みんな俺見ると怖がるからさ」

気まずそうに夜色の目をそらす彼に私は首を振る。

「怖くなんてありません。お兄さん、悪い人じゃなさそうですし」

「なんでそう思うんだよ」

「シートベルト、ちゃんと締めてました」

「そんなこと？」

「そんなことじゃいけませんか？」

不服そうな彼は凛々しい眉をぎゅっと寄せて不思議なものを見るような目で私を見ていた。

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