ガールミーツナイト《ars/j.m/0830》 (ページ14)

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Episode3 -5 ページ14

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潤くんと遊んで帰ると智くんに連絡したらしぶしぶ許可をくれた。

智くんはこういうところが雅紀より融通が利く。

雅紀には上手く言っといてくれるって言ってたけど、果たしてうまくいくんだろうか。

友達と一緒に歩く街というのはずいぶん久しぶりだ。

私には小梅ちゃんくらいしかまともな友達はいないし、普段はどうしても車での迎えが来る。

買い物にはたいてい雅紀が付いてくるし、雅紀でなければ智くんが来るし。

とにかく、三人以外の人と歩く街というのは見慣れた街でも違った景色に見えるものだ。

「あそこのクレープがさ、美味いんだよ。うちのチビたちが好きでさ、たまに休みの人かに食べに来るんだ」

「へぇ、そうなんだ」

公園通りにある可愛らしい店舗には女性客がたくさん並んでいる。

私と潤くんはその最後尾に並んだ。

「さすがにクレープは食ったことあるよな、お嬢様」

思い出したようにそう聞かれて、笑みがこぼれる。

「あるよ。小梅ちゃん…あ、さっき一緒にいた友達ね…と、食べて帰ることあったから」

「お嬢様でもそんなことすんだな」

「女子学生だもん、みんなしてるよ」

うちがちょっと特殊なだけで基本的にみんな普通の女子学生だ。

学校でのおしゃべりも、学校帰りの買い食いも、いたって普通の日常だ。

ただ少し違うのは、その中には大人たちの事情というものが少なからず混じっているということだけだ。

親同士の中が悪い子供たちは仲良くしたくても出来ないのだから、そんなところは可笑しな話だと思うけど。

「そういうもんか…あ、どれにする？甘いのもおかず系もあるけど」

「えっと……イチゴチョコクリームにしようかな」

イチゴもチョコも好きなんだよね。

「おっけー。俺は…チョコバナナかな」

メニュー表を見上げてそうつぶやくと潤くんはなれた様子で注文を済ませる。

「ほら、イチゴチョコ」

「ありがとう」

まだ温かいクレープが手をじんわり温める。

少し力を入れたらつぶれそうなそれをそっと両手で握りしめた。

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