女になった俺と女嫌いのアイツ

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今日はきょもとデート。
お金も用意してデートプラン組んで、ちょっとオシャレにヘアメイクして。
……って思ったのに。


「……最悪。」


風邪でも引いたのか体が重い。
いや寝起きでただ頭が痛いだけかも。
ダルい体を無理矢理叩き起して制服を着込んでヘアメイクをする為に洗面所に……

寝間着を脱いだ途端に胸元に違和感があった。
華奢な自分の体に似合わぬ胸の盛り上がり。
全身鏡に映る俺の体は男の華奢よりかは女の華奢に近かった。


「つか何で朝起きたら女になってんだよ、おかしいだろ！？」


なりたくもないものに変わってしまった絶望感を感じるよりも先に非現実的な現実にツッコミを入れてしまった。
暖かくなって控えていたパーカーを着込んで胸がバレないようにしないと。
結局の所家族にさえ言えずに仲間と待ち合わせてる場所まで着いてしまった。

無意識に内股気味になる足を意識して戻しながら皆と顔を合わせる。
そわそわする足元に気を取られてしまう。


「おはよ、樹。」
「きょもおはよ、放課後楽しみだな」
「楽しみ！ 何処連れてってくれんの？」
「それはそん時まで内緒に決まってんだろ」


こうやって俺ときょもがデートの様に二人きりで放課後遊びに行くのはいつもの事。
それを分かっていて北斗の方に顔をやると悔しそうに目を逸らしていた。

後は俺の事がバレなきゃ上手くいく。






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