女になった俺と女嫌いのアイツ

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「可愛いよなぁ…素材が良いから勿論可愛いんだよなぁ………」
「教室が隣だからって来んなよ」
「だって高地が白無垢着るらしいから見に来ちゃった♪」
「可愛くねーよ、帰れ。」
「俺袴！ 最高！！」
「あーダメだコイツ。誰かジェシー連れて帰って…」


俺の目の前で女子達に採寸される高地。
お化け屋敷を出し物にする高地のクラスでは内装の準備と衣装の準備で分かれている様だが、高地は衣装準備担当らしい。
俺は自分のクラスの内装準備を放って高地に会いに行った。


「良いじゃん、ウェディングドレスじゃない結婚式とか！」
「え？ もう考えてんの？」
「俺結婚したい人とじゃなきゃ付き合ってないよ」
「へっ………」


顔を赤くした高地はそそくさと試作品の白無垢を脱いだ。
緩んだシャツの袖を捲り直す高地は仕草こそ男らしいが、肉質は柔らかそうで女の子らしい。
いつか高地が女の子になって男に戻らないままだったら、性別を変えてもらって結婚したい。
もう結婚するなら高地しか考えられないな。


「ジェシー、早くクラスの手伝いしなよ。どうせ当日見るんだから。」
「直ぐに見たいんだよ！」
「雰囲気出ないからダメ！」


むっとしかめっ面した高地に勝てる程意地悪な人間じゃない俺は背中を押されるがままに教室を後にした。
……うーん、お化け屋敷には入りたくないかな。







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