女になった俺と女嫌いのアイツ

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ふと小さな声とガサガサと後ろの茂みが揺れる音。
不思議に思って振り向くけど誰か居そうな雰囲気は無い。
その癖茂みが揺れる音は激しくてちょっとした言い争いが聞こえてきた。
立ち上がった途端に大きな体が何かを引っ張ってるのが見えて……


「ジェシー？ ……って、慎太郎と北斗？ 何で？」
「あ、バレた…。慎太郎が押すからじゃん」
「押してない押してない！ つか押したの北斗だろ！？」
「俺だって押してねーよ！ あ、じゃあジェシー？」
「逆に引っ張ってたんですけど！？」


何なんだ、この1年組。


「あれ？ いつもならジェシーが食い付いてこういうのやるじゃん」
「いつもならって探偵ごっこは普段からやってないよ」
「探偵ごっこ？ なんで？？」
「何でってどっかの誰かさんが今日一日皆の声無視して京本と帰らずに一人で走ってくのが心配だったから保護者のつもりで見守ろうって。」
「見守るって探偵じゃないじゃん」


北斗はおどけた様子で話すと俺の肩を抱いた。
すると俺の体ごと二人に背を向けて耳打ちする。


──原因は京本？


首を横に振る俺を確認した北斗は振り返り慎太郎に視線を寄せる。
おい、まさか、言うのか？


「慎太郎、これは俺らだけの秘密。京本に言うなよ？」
「え？ そんな重要な話？」
「かなり重要」
「……分かった、秘密教えて。」





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