107ねむ ページ8
「ニコラス先輩!」
次に見かけたのは、3年生のサモナー代表である彼だ。
複数の白組に囲まれて、動けないでいるようだ。
「Aくん、」
「加勢します!」
すぐにしゃがみ込んだ私は地面に大きな円を描く。
「させるか!」
「ちっ」
円を閉じれる前に、頭上から攻撃が降ってくる。それを避けるのに意識を注げば、攻撃を繰り出した男が私の描いた円を靴で踏み消した。
こいつサモナーの知識蓄えてるな?ニコラス先輩らを狙ったりでもしてるのか?
先ほど呼び出したブラックドッグの召喚陣はとっくに参加者の誰かによって消されている。
今私はどれも呼び出せない無力な一般人に等しい。
「Aくん、こっちへ!」
そう名前を呼ばれれば、一人の召喚獣が私の目の前の道を開いた。
炎を司る精霊、イフリートだ。うっわ高等精霊なのに……流石名門家の持ち獣……。
「すみません、逆に手を煩わせました!」
「いや、意識を持ってってくれたおかげで体制を持ち直せたよ、ありがとう」
ニコラス先輩のもとへ駆け寄り謝れば、ニコラス先輩はふ、と柔らかく微笑む。
私もつい微笑んでしまうが、今はそんなほのぼのした空気をまとっている場合ではない。
ハイエナのように、囲まれている私たちを見て、数の有利を見出したのかさらに白組や青組が集まってきている。完全に囲まれた。
「ニコラス先輩のその召喚陣は?」
「遠くにあるからとりあえずは大丈夫そうだよ」
「じゃあニコラス先輩の背中借りますね」
「え? ――っひ!?」
ニコラス先輩の背中に指で大きな円をなぞれば、くすぐったかったのか大きく身を震わせた。
困惑しつつも恥ずかしそうな顔で私を見てくる先輩に、申し訳なさと加虐心が同時に刺激される。
「ご、ごめんなさい先輩……ブラックドッグ、手伝え!」
「い、いやいいんだ……そっか、背中ね……表面だもんね……」
少しだけショックを受けたニコラス先輩に、私はあとで誠心誠意謝ろうと心に決めた。
だけど今は、目の前のことのほうが先だ。
「蹴散らせ、ブラックドッグ!」
「ブラックドッグの援護をするんだ、イフリート!」
ばっと走り始めたブラックドッグを追いかけるようにイフリートが炎を放つ。
すぐさま水魔法がかけられるが、その隙にブラックドッグが相手に噛みつく。
「バンダナを奪えば勝ちだ、ブラックドッグ!」
指示をすれば、的確にバンダナをその牙で抜き取るブラックドッグ。イフリートも私の指示に従い、バンダナを燃やした。
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - あぅ。さん» ウワーコメントくださることが一番嬉しいです!!本当にありがとうございます!!励みにさせていただきます、更新頑張ります!! (2022年6月13日 22時) (レス) id: 5d704cea99 (このIDを非表示/違反報告)
あぅ。(プロフ) - 始まりの神:トワイライト・ジェネシスさん» 更新嬉しすぎますー!!!!!これからも頑張ってください!!!!応援してます!!(●︎´▽︎`●︎) (2022年6月13日 21時) (レス) @page43 id: 0ffcc11942 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - todddさん» 私がtoddd様を大好きだが!!??今でも読んでくださってくれて本当に本当になんと申し上げたらよいか…ありがとうございます…!また更新頻度低くなっておりすみません。6月中はちょいちょい上げていきますー! (2022年6月12日 1時) (レス) id: 5d704cea99 (このIDを非表示/違反報告)
toddd(プロフ) - 更新お疲れ様です!最近更新頻度高くて超歓喜です…😇久しぶりにエド出てきて飛び跳ねました!これからも更新楽しみにしています!だいすきだー!!! (2022年1月14日 22時) (レス) id: f42c81b12e (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - 茶茶さん» ほんっっっっっと亀更新ですみません!にもかかわらず待ってくれてありがとうございます!!!!嬉しい!!!茶茶さんも体にお気をつけて!!!!!期待に応えられる作品を頑張ってカタカタします!!!!嬉しい!!!!!!!!!ありがとうございますうううう!!! (2021年2月27日 20時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:始まりの神 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年8月7日 16時