【逆ハー注意】男装腐女子の魔法科男子校潜入記【3】

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「ごめん、二人とも……手伝ってもらっちゃって」
「んーん、これくらい全然！」
「ホノホノのためならこれくらいなんともないって！」

結局、私の引っ越しはとんとん拍子に決定を下され、もともと部屋の空きもあったということでその日以内に手続きが終わってしまった。
そして今、私は引っ越し作業をしている。

当然、エドと顔を合わせるのは申し訳ないというか私が怖いので、双子に物を運び出してもらっている。
どうやらエドはちょうど外出中だったようで、今のうちにとっとと作業を済ませてしまおうと頑張っている。それでもばったり出くわしたくはないので、持ち出し作業は双子に押し付けたままだけれど。

荷物は自分が思っていたより少なく、引っ越し作業はものの一時間で終わってしまった。
あとは荷解きだけなので、双子にお礼を言い、今度ご飯を奢ることを約束して別れた。

「……ここが、生徒会専用フロアかぁ」

風紀委員長たち用のフロアも同じ階にあるが、少し離れている。
だから、私の隣、隣の隣、真向い、そして斜め向かいは全員あの生徒会役員どもだ。
今までもかなり接点が多かったけど、これからは毎日顔を見合わせるのか。いや濃厚接触。お腹いっぱい。

それはそうとして、今日はもうこれ以上ないほど疲れたので荷解きを明日に回して寝ようと思う。もう食欲すらもない。寝る。寝るったら寝る。

「……A？」

……こういうときほど誰かに会うよね、うん。自分でフラグ立てたわ。

「リデル、今日はお疲れ様」
「……Aが一番、お疲れ様……。……ここで、何してる？」
「あー、私、今日からここに引っ越すことになったんだよね。ほら、一応生徒会役員だし」

あまり深いことは言いたくないのでそれだけを伝えると、リデルは少し考えてから成程、とうなずいた。

「これから、隣……？」
「あははっ、うんそうだね。よろしくね、リデル」
「……ん。A、ご飯、食べた？」
「……あー、まだ。ちょっと、今日はいいかなって」
「食べないと、体に悪い」
「……うん、ちょっと食欲なくて。疲れてるから」

早く寝たい。お腹なんてすいてない。むしろムカムカしているくらいだ。
伝われこの思い、と苦笑しながらリデルを見上げると、リデルは少し悩んでから「じゃあ、」と口を開いた。

「……デリバリを頼む。俺と一緒に、ご飯食べよ」
「……へ？」
「俺、奢る」
「いやいや、悪いよそんな！ 今日は寝るから、また今度」

だけどリデルは私の腕を掴んだ。

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