99ねむ ページ50
「はいホノホノ、卵焼きあげる」
「ホノホノは唐揚げのほうが食べたいでしょ」
「んむむむ君たちの知ってるホノホノは口が一つしかない!」
滅茶苦茶箸で掴んだ食べ物を押し付けてくる双子をどうにか引き離し、私は自分の口を守る。
呆れた顔でこっちを見ているエドの視線が痛い。憐れむなら助けてくれ。
食事は食堂からお弁当形式で渡される。いろいろ選べたのだが、私は庶民の味方である母親が作ったようなおにぎり弁当が食べたくてそれを選んだら、双子も真似してきた。
ちなみにエドはサンドウィッチをつまんでいる。
「あーここにいたんだ、みんな」
「Aお疲れ!」
「あ、和先輩にユーリ。お疲れ様!」
「本当に疲れたよ僕〜……怪我人どさどさ出してきやがって休む暇もないったら!」
うわーん、と私の背中にのしかかるユーリに私は苦笑する。
確かにこの運動会、ヒーラーの荷が重すぎる気がしないでもない。ヒーラーの治癒能力に任せて、好き放題やっている生徒が多すぎやしないか。
「カイも大変だろ、まだヒーラーにジョブ変更して日が浅いのに」
「ううん、そんなでもないよ!」
「えー僕の心配もしてよホノホノ!」
「リクは競技出ただけでしょ」
むぷー、と頬を膨らませるリク。く、可愛いじゃねぇか。
だが私はそんなで騙されんぞう。私だって競技に出たんだからな。しかも君たち写真めっちゃ撮ってたし。
「ってかヒーラーってバトロワ参戦するの?」
「しないよぉ、僕たち怪我を負わせないための存在だもん」
「あー……攻撃系魔法扱えない類?」
「まぁあるにはあるけどぉ」
お弁当箱を開きながらユーリが首をかしげる。ふわりとした髪の毛がラベンダーの匂いをまとっている。
まじ女子力半端ない。
「……怪我をしていない相手の体に治癒魔法使うと、いろいろ狂ってちゅぼーんってなったりするんだよね」
「え、ちょ、ま、食事中」
ちょっと想像してしまった。
「午後一にバトロワ参加するんでしょぉみんな。安心して怪我しなよね!」
「……あれ、怪我と安心って相いれないものだと思ってた」
輝かしいほどのユーリの笑顔に、私は青ざめた笑顔で返す。
「っていうかあれだよね、大神くんとAはめっちゃ生徒会長に追われそう」
「やーめーろーマジで、想像しただけで悪夢だわ全力で逃げるし」
「僕もホノホノ追いかける!」
「間に合ってる間に合ってるマジで放っといてください頼むから」
エドは返り討ちにしてやると燃えていた。
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - アスヤさん» 最初から見ていただいて感激です……エド君ストライクと言っていただけで嬉しいです!これからもアスヤさんをきゅんきゅんさせられるような小説を書けるよう頑張らせていただきますね!コメント本当にありがとうございました! (2019年8月4日 22時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
アスヤ(プロフ) - 作品最初から見ましたがエドくん好きです!どストライクです!更新無理せず頑張ってください! (2019年6月4日 22時) (レス) id: 85154871a9 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - 歩美さん» 大好きといっていただけで光栄の極みです!地毛がそっくりですと!さぞ美しい髪をされているのでしょうね。頑張らせていただきます、ありがとうございます! (2019年5月14日 13時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
歩美(プロフ) - 初めまして!シリーズを最初から読ませていただいています!!とても面白いのに、キュン要素をしっかり取り入れてもう大好きです。主人公の地毛が私にそっくりで感動しております。更新頑張ってください! (2019年5月13日 17時) (レス) id: 45ec4d7ed1 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - 礼羅さん» あー泣かれないで!つティッシュ 書籍化……できたらいいですね!(無理)ありがとうございますお気持ちとてもうれしいです!エド!これからも絡ませていくしかない!亀更新ですがこれからもよろしくお願いします! (2019年2月5日 22時) (レス) id: 30865517cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:始まりの神 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年8月8日 12時