43ねむ ページ44
「うわあっ……」
かまれない、抵抗されないとわかった途端、恐怖は感動へと変わる。
目をキラキラ輝かせてその男子はヒュドラの額を撫で続けた。その間、我も撫でろとほかの八つの頭が彼を鼻先でつつき催促する。
「ほら、これでわかったろ？ この子大人しいからみんなも来いよ。あんまりたくさん来るとびっくりしちゃうかもだけど」
その私の言葉が鶴の一声のようなものになったみたいで、やがてヒュドラの周りには人だかりができるようになっていた。
私は一通り撫で終わって満足したので一歩後退してその様子を外側から見た。と、気づけば隣に先生が立っている。
緑がかった灰色の髪の毛。眼鏡の向こうに見える瞳は髪の毛と同じ色。
笑顔と白衣が似合いそうな優男の先生だ。うーん……受けと攻め迷うな。
「先生はヒュドラとどこで契約を？」
「遠方を旅していた時に少しね。興味があるのか？」
「ドラゴンとの契約に興味を持たない人間なんています？」
「それはごもっともだ」
はは、と笑う先生はとても友好的な様子。
「かなり奥地に一人で生活をしていたみたいだ」
「ドラゴンって基本一人で生活しますよね？」
「あぁ。そうでなくともその姿は希少だからね。人生に二匹以上見れたら幸運なほうだ。僕はドラゴンコレクターみたいなものでね」
「えっヒュドラ以外にも！？」
にっこりと笑みを返される。
「見せてほしい？」
反射的に返事をするより先に頭を下げてしまう。綺麗な90度のお辞儀をみて、先生はさらにニコニコした。
「じゃ、今度放課後にな。俺に時間ができたらメッセージ送るから連絡先交換しよう」
「はい！」
今まで出したことないくらいのスピードで私は携帯を取り出し連絡先追加画面を開いた。
先生に渡すと慣れた手つきでタプタプと画面を叩き、そして返してくれた。
アルバート・ハントン。この先生の名前、アルバートっていうのか。
そういえば授業始まるときに自己紹介をされた気がするが、聞き流してしまっていた。アルバート先生、覚えておこう。ドラゴン先生！
これから数多のドラゴンを見れるのだ。わくわくと興奮が収まらない。時間ができたらって言ってたけどいつできるんだろう。理事長さん今すぐアルバート先生のスケジュール全部キャンセルしてくれないかな。
そんなニマニマ顔で教室へ戻ると、エドに直面早々「きもっ」って言われた。
お前あんまナメた態度取ってると受けにして脳内妄想繰り広げるからな。
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - 礼羅さん» きゃーありがとうございます！生きる糧なんて嬉しい！ゆっくりですが更新頑張ります。これからどんどんキャラ増やすのでどんどん推しが増えますように！ (2018年7月18日 10時) (
レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ウィワクシアさん» ショートだったのですね……主人公にはない魅力です……！ (2018年7月18日 10時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ほたるいかさん» えぇえぇええ嬉しい！ゆっくりになりますが更新頑張ります！ (2018年7月18日 10時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
礼羅(プロフ) - 毎話楽しみにしています。本当に素晴らしい作品で、もう生きる糧の一つのようなものです！更新待ってます！ ちなみに私の推しは主人公とエドです (2018年6月20日 18時) (レス) id: f42c81b12e (このIDを非表示/違反報告)
ウィワクシア(プロフ) - これ読んでたら高校時代スラックスで通って｢どっちですか｣って聞かれまくったの思い出した (2018年5月22日 19時) (レス) id: 4474fbdae4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：始まりの神 | 作者ホームページ：
作成日時：2015年8月6日 13時
