13ねむ ページ14
「赤の召喚士ィ?」
会長さんがこれまた不快そうな声をあげる。自己紹介した人には必ずこういう返答されるの。辛いのわかる?
「Aが名前なんだよね、末明は名字?」
「はい、そうです」
「なら自己紹介の時はA・ホノカって言っておいた方がいいと思うよ。 ホノカが名前かと勘違いされちゃうから」
「そうなんですか、ありがとうございます会計さん」
「アルでいいよ、同学年でしょ。 俺はAって呼んでいい?」
「はい、どうぞ」
アルくんすっげーいい人だな。
私この学園に来て初めてこんなに優しくされたかもしれない。
オレンジ色の髪の毛はワックスで跳ねさせて、眼鏡の奥の瞳は綺麗な黄色。顔はジャ……なんだっけ、ちょさくけんとかでいってはいけないような名前の人達みたいに可愛い系だ。
受けかな?
「ホノカさん、アルは女好きだから気をつけて」
敵だ。
「それであの、なんで私補佐に任命されたんですか?」
「性別関連のことで、特別措置だから何かあった時のために俺らにサポートを頼まれたんだよ。 生徒会の一員の方が手を回しやすいでしょ?」
「あー、成程。 お手数をおかけします……で、私は何をすれば?」
「……君、本当に昨日来たのと同じ子?」
礼儀正しすぎて逆に気持ち悪いんだけど、と遠慮することなく毒を吐く副会長さん。失礼過ぎない?私だって場を弁えるよ。頭の中は覗かれないから別に副会長さんがいろいろされてる場面とか想像しちゃってるけどさぁ。
とりあえず、と指さされた空席はアルくんの隣だった。校長室においてあるような横長の木製の机。引き出しもいっぱいついてて、しかも鍵をかけられる。古代の鍵じゃなくて、勿論魔法の鍵ね。
「とりあえず機密事項は流石に見せられないけど、書類の最終チェックとか風紀委員からの資料受け取りとか、そういう雑務をやってもらいたいんだけど」
「はーい、ノープロブレムですよー」
早速意気揚々と自分の席に座ると、副会長さんの背後に何室かの部屋のドアが見えた。
生徒会室の入口みたいにでかくはなく、本当に備え付けっていう雰囲気のドア。どこに繋がっているのか気になって、仕事に戻りかけている副会長さんを呼び止めた。
「……あぁ、ヴィルの後ろにあるのが仮眠室。 シャワーもあるよ。 で、リデルの後ろのが給仕室」
「ヴィルって呼ぶとか副会長さんと会長さん仲怪しくない?」
給仕も私の仕事ですか?
……心の声と口に出す声間違えた……
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - 礼羅さん» きゃーありがとうございます!生きる糧なんて嬉しい!ゆっくりですが更新頑張ります。これからどんどんキャラ増やすのでどんどん推しが増えますように! (2018年7月18日 10時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ウィワクシアさん» ショートだったのですね……主人公にはない魅力です……! (2018年7月18日 10時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ほたるいかさん» えぇえぇええ嬉しい!ゆっくりになりますが更新頑張ります! (2018年7月18日 10時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
礼羅(プロフ) - 毎話楽しみにしています。本当に素晴らしい作品で、もう生きる糧の一つのようなものです!更新待ってます! ちなみに私の推しは主人公とエドです (2018年6月20日 18時) (レス) id: f42c81b12e (このIDを非表示/違反報告)
ウィワクシア(プロフ) - これ読んでたら高校時代スラックスで通って「どっちですか」って聞かれまくったの思い出した (2018年5月22日 19時) (レス) id: 4474fbdae4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:始まりの神 | 作者ホームページ:
作成日時:2015年8月6日 13時