1本の傘を君と

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いつも通り合鍵を使って家に入ると予想に違い、部屋に灯りが点っていなかった。

不思議に思いながらも灯りをつける。
するとテーブルの上に見慣れない袋が置いてあった。

袋を手にとったところでメリークリスマス！という声が響いた。

「Aいたの？びっくりした」
「むしろ驚いてくれなきゃ意味無いじゃん！」

そう言ってケラケラ笑うA。
怒ってないことにそっと胸を撫で下ろした。

「んで、この袋どうしたの？」
「それは拓司に！クリスマス＆お仕事お疲れ様プレゼント？」
「いや名前に詰め込みすぎでしょ」

つられて俺もケラケラと笑う。
開けていいか確認して袋の封を解くと、ネイビーのマフラーが出てきた。

「拓司あまりマフラーつけてるイメージないから買ってみた！最近寒くなってきたから使ってね」
「ありがとう！毎日つけるわ！」

明日から外に出るのが楽しみになりそうだな
っと、忘れないうちに俺からのプレゼントも渡しておこう……

「じゃあ俺からはクリスマス会えなくてごめんこれで許してあげて欲しいプレゼント」
「拓司の方が名前長いじゃん！開けていい？」
「勿論」
「ネックレスだ！ありがとう！」
「どんなデザインが気に入るか分からなかったからシンプルなのにしてみたけどお気に召した？」
「召した召した！仕事中つけてても支障きたさなさそうだからつけてるね！」

どうやらお気に召してくれたらしい。
自分一人で買いに行ったから不安だったけど良かった。

「てか昨日メッセージの返事来なかったから内心ビビってたんだけど昨日何かあった？」
「んー、会えなくてちょっと寂しかったから拗ねてみた！」
「ごめんな、折角のクリスマスだったのに」
「……違うよ。クリスマスだからじゃない。」
「…どういうこと？」
「いつだって拓司に会いたいもん。会いたいのに会えなくなったから拗ねただけだもん」

気付けば俺は力いっぱいAを抱きしめていた。
この可愛い生き物、どうしてくれよう。

「わわ、拓司っ」
「そういうの、狡い」

それだけ言って再び抱きしめる。
傍から見るととんだバカップルだろうけど、たまらなく幸せだ。

「これからもずっと一緒にいてね」

そう言って俺に身を委ねるA。
人生をかけて幸せにしていこうと改めて思った。

出逢ってくれてありがとう／kwkm→←クリスマスなんて／izw

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