叶わぬ恋は馬鹿がする【宮治】 (ページ4)

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「姉ちゃん先帰らんとってな!!絶対居ってな!!」

『はいはい、ちゃんと居るから』

「約束やで!!ほんまに先帰らんとってな!!」

『分かったから!!はよ部活行き!!』

放課後、こっぴどく怒られ反省した双子は一緒に帰りたいと終礼が終わるなりあたしの教室まで走って来た。両方から弟に挟まれ逃げる術は無いがこの子達はバレー部所属、あたしは帰宅部。当然今日も部活があるようで同級生と思われし1年生が「こら!!お前ら部活!!」と連れ戻しに来た。然し双子は朝の出来事があったため「嫌や!!今日は姉ちゃんから離れへんって決めてん!!」と可愛らしい事を吐き捨てあたしの腕にしがみつく。このままでは部活をサボってしまい周りに迷惑を掛けてしまう為仕方なく双子達が部活を終わるのを待っている事を約束に部活に行ってもらうこととなった。

「姉ちゃん!!絶対やで!!」

『はよ行かんねんやったら帰るで!!』

「行ってきます!!」

全く、と溜息を付きながら双子を送り出すもそんな弟達が可愛くて仕方が無いあたしも大概だと思いながら観覧席へと向かった。

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「侑くーーん!!」

「治くーーん!!こっち向いてー!!」

練習が始まり、あたしは観覧席の端の方で弟達の勇姿を見ようとするのだが、あたしの弟はアイドルなのか。黄色い歓声を浴びながら登場する弟達に姉は驚きを隠せていません。そんな弟達の露骨に嫌そうな顔をしているのは後で姉ちゃんが入って怒ります。
驚いたまま口をぽかんと開けていると治くんがあたしを見付けた様で目がばっちり合う。

「みててな」

口パクでだが確かにあたしに向けて告げては今までとはまた雰囲気の違う笑みを此方に向ける治くんに息を飲んでしまう。なんて返そうか困っていると「え?!今治君こっち向いた?!」と野次馬の女の子達が治くんに気付き歓声をあげる。それのお陰と云うべきか治くんはチームメイト達の所へと戻って行った。

『うちの弟らは人気者やなぁ』

あたしの後を夢中で追い掛けていた双子達は何処へやら、プレーの最中の彼等は水を得た魚の様に活き活き、否キラキラとしていた。

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「姉ちゃーん!!見てた?!俺点数入れたで!!」

「ツム抜け駆けすんな!!」

先程までの格好良さは何処へやら普段のあどけない笑みを見せながらすごいでしょ、と自慢する侑くんに狡いと拗ねる治くん。そんな彼等の姿にまだまだ子供だなぁ、なんて感じつつ、今日もあたしは彼等を甘やかす。

『侑くんと治くんが1番格好良かったで!!』