叶わぬ恋は馬鹿がする【宮治】 (ページ2)

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双子ページ2

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「姉ちゃーん!!サムの奴が!!」

「ツムが悪いんやろ!!」

ｷﾞｬﾝｷﾞｬﾝと騒ぎ今にも取っ組み合いを初めそうなこの2人。今から中学生になると言うのに未だにこうやって喧嘩をする。

『こら、それ以上喧嘩するんやったら姉ちゃん怒るで』

「「スイマセン」」

『分かれば宜しい!!流石姉ちゃんの弟やな!!』

怒られるのが怖いのか先程までいがみ合っていた2人は瞬時に大人しくなりそんな彼等が愛らしくて2人をぎゅっ、と抱き締めてはまだあたしより低い彼等をわしゃわしゃと撫でる。

『2人共、入学おめでとう』

「!!姉ちゃんありがとうー!!」

「あ!!ツム抜け駆けすんな!!」

やっと機嫌が戻ったと思えば我先にとあたしに抱き着く侑くんに治くんはムキになりまた校門の前でぎゃーぎゃーと喚き散らす。車を停め此方に駆け付けた両親もまたかと呆れた表情を見詰める。そんな2人に母が必殺技を使う。

「こら侑!!治!!あんま喧嘩してたら姉ちゃんに嫌われるで!!」

これが必殺、姉ちゃんに嫌われるで!!我ながらネーミングセンスは無いがこの一言で双子の喧嘩はﾋﾟﾀﾘ、と止まり今度は目をうるうるとさせながらあたしに引っ付く。

「姉ちゃん俺の事嫌いになった??」

「姉ちゃん嘘やんな?嘘って言うてやぁ」

この双子は別れ話でもされたのだろうか。日に日に別れ話をされたメンヘラ彼氏みたいになっている気がする。そんな双子にトドメの一撃、気まずそうに眉を寄せると、

『うーん、あたしはあんまり喧嘩せーへんお利口さんが好きやねんなぁ』

その一撃を食らえば双子はみるみるうちに顔を青ざめ「そんな…!!」や「嘘やぁ!!」とこれまた阿鼻叫喚。もう面倒臭くなってしまい両親に中に入る事を伝え、双子を放って1人校舎へと入って行った。

「あれAが言ってた双子の弟?」

『そ、あたしの中学生活最後の1年はあの双子のお守りになるんやろうなぁ』

在校生は1度教室に集合し点呼後、体育館へと向かい入学式が始まる。その為あの双子に何時までも構ってあげられる訳も無く教室へと入ると上から先程の一部始終を見ていたであろう友人がご愁傷さまと言った表情であたしに話し掛ける。