*Jolie fleur*-可憐な花と曇り空-

Episode29 ページ6

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「…退！！」

Aを追うように副長に言われた山崎。


彼女は自分の目の前に彼が現れた時点で、

”土方の指示だ”と、それを理解した。



(でも……じゃあどうして…
私があの高杉って男に会っても、
真選組は何で捕まえに来なかったの…？)



真選組は攘夷浪士を取り締まるのが主な仕事であるにも関わらず、

その場で応援を呼び

仕掛けなかったその理由。


それをAが知る由もない。


一瞬考えた彼女だが、

山崎の笑顔を見て

”そんなに深く考えても仕方がないか”

そう思い、笑顔で駆け寄って行った。


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『副長！大変です……！！』

「あ？どうした」



＿＿＿＿時は数時間前。


只事では無いような山崎の切羽詰まった声に

連絡を受けた土方の方へ

近藤や沖田も寄ってきた。



『高杉ですっ！高杉がAちゃんに接触して来ました！！』

「なっ、高杉だと！？」



聞こえた”高杉”の名に、

3人の表情は一気に険しくなる。


それから”近くに船が停泊しているようなので応援頼みます！”と山崎が続けて叫ぶ。

走りながらの連絡のようで、

息も絶え絶えだ。



「よし、わかった！
総悟！1番隊の隊士に伝えろ！！」

「へい…っ！」



土方に言われ、
沖田は直ぐに部屋を出ようと立ち上がる。



「いや、待て！」



しかしそれは、近藤の一言で止められた。



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