検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:9,668 hit

7日目 ページ9

霞side


それからどれだけの時間、暴れていたのかわからない。

自分にかかる生暖かい血の香りが濃くなっていったのは、ぼんやりと覚えている。


万「…もう敵はいないでござる。鬼兵隊に帰るでござるよ?」


万斉の声に我に返る。

私の周りには血にまみれた大勢の屍が転がっていた。


貴「…終わった、か。…ハァハァ、、ッ!」


肩の荷を降ろした瞬間、視界がクラりと揺れる。

万斉が支えてくれたため、座り込むことは無かったが、一人で立つのは難しかった。


万「…出血し過ぎの貧血でござろう。鬼兵隊に戻り手当するでござるよ。」

貴「…あぁ、ハァ…そのまま肩貸してて…」

万「分かってるでござるよ。」


万斉に体を支えられながら、重い足を動かす。

また子ちゃんの怪我の深さを考えると、いてもたってもいられず歩調が早まる。

早く…

鬼兵隊に帰ろう…

彼女の無事を確認したい!


ーーー


万斉と共に鬼兵隊に戻れば、隊士たちが口々に労わってくれる。

疲れきっていた私はそれらに曖昧に返しながら、また子ちゃんがいるであろう部屋に向かう。


貴「…晋助!、また子ちゃんは??」

高「!…霞か。…来島なら無事だ。深いが、傷も残らねぇらしい。」

貴「そっか…良かったぁ…ハァ」

高「それにしてもすげぇ血だな、オメェ真っ赤だぞ?」

万「半分は返り血、半分は自分の血でござろう。」


万斉が余計なことを言う。


高「オメェ、怪我したのか?」

貴「少しだけだ。倒したことはないよ。」

高「あの人数を一人で全滅か。…“月夜の死神"はまだ健在、か?」

貴「…懐かしい名前を出すねぇ(苦笑)」


“月夜の死神"

それは攘夷戦争時に呼ばれていた私の二つ名。

月夜に現れ、音もなく相手を葬り、月夜に消える。

忍びであるが故についた二つ名だった。


貴「…その話は置いといて、そろそろ私もお暇するよ。こちとら、へとへとなんだよ。

また子ちゃんの事、よろしく頼む。」


返事を聞く前に万斉と共に歩き出す。

疲れと気の緩みからか、歩きながらも自分の意識がどんどん薄れていくのを感じた。

意識を失う直前聞こえたのは、万斉の「お疲れ様でござる」という言葉だった。


ーーー
高杉side

霞が返り血に濡れ、帰ってきた。

来島が切られた時のあいつの殺気はあの時を彷彿させた。


高「…来島…」


目の前にあるベッドには来島が寝ている。

目の前であいつが切られた時、気が狂いそうだった。

本気で失いたくないと思ったのだ。

8日目→←6日目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
7人がお気に入り
設定タグ:銀時 , 鬼兵隊 , 高また   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

詠月(プロフ) - KAGUYAさん» やろやろ?!ハマってくだせぇ!!頑張るねー! (2017年8月18日 22時) (レス) id: 28c1bfa768 (このIDを非表示/違反報告)
KAGUYA - 高杉さんイケメン過ぎてヤバし!!!!!また子ちゃんが可愛いいいい!!!高また最高!!! (2017年8月18日 21時) (レス) id: dab75e8136 (このIDを非表示/違反報告)
詠月(プロフ) - 塩amずんだづっきーさん» そんなことないよwありがとう!頑張ります(*^^*) (2017年8月4日 18時) (レス) id: 28c1bfa768 (このIDを非表示/違反報告)
塩amずんだづっきー(プロフ) - 完成度高ぇなおいwこれからも楽しみにしてます (2017年8月4日 15時) (レス) id: ac0ad3f3e4 (このIDを非表示/違反報告)
詠月(プロフ) - 健威さん» 出来たよー?まだまだ続きますぜ!! (2017年8月3日 17時) (レス) id: 28c1bfa768 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2017年8月1日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。