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31: 犯罪者 ページ35

A「…あれ?何か…痛い…」

何だかチクリと胸が痛み、私は首を傾げた

誰かが泣いてるような感覚がしたが、気のせいであったのかもしれない

A「うん。…気のせいだ、きっと」

「如何なされましたか?急に立ち止まれて…」

安吾の部下だと云う人物にそう問われ、私は何でもないと首を振った

そう。私は…安吾に呼び出され、先ほど異能特務課のビルに戻ってきた

今は、安吾の部下にジイドが捉えられている部屋まで案内されている

A「ジイドの怪我の具合は?」

部下「その件なのですが、長官が貴方に話があると」

A「長官…?」

部下「ええ。異能特務課を統べる偉大な方です」

A「ほー。そのお偉いさんが私に話ねぇ」

部下「えぇ。貴方に是非とも会いたいと仰られていましたよ」

ですが、長官と話される前に先ずは彼と話をつけて下さい

安吾の部下さんはそう言って、ある部屋の一室で立ち止まった

A「此処にいるの?」

部下「ええ。此方からはお一人で」

彼はそう言って、頑丈そうな扉の鍵穴に鍵を差し込む

ギイィ…ッ

そして扉は重々しそうな音を奏でてゆっくりと開いた

頭を軽く下げて扉を開けてくれた彼に礼を言うと照れ臭そうに笑みを返してくれた

部屋に足を踏み入れると其処は無機質な白の世界が広がっていた

キョロキョロと辺りを見渡す

A「うっわ。何これ。壁も床も天井もぜーんぶ真っ白じゃんか」

「ええ。此処は異能を無力化する為に特別にあつらえた部屋ですから」

声の人物にクルリと振り向くと、眼鏡の彼が立っていた

A「安吾…」

安吾「Aさん。ジイドはこの扉の向こうです」

A「随分と厳戒態勢だねぇ。…まさか、ジイド(あの人)が逃げ出すと思っているの?」

安吾「いえ…。貴方がいる限りは其れは無いと考えましたが、念には念を入れねば此方の首が飛びますからね」

現時点の段階では彼はまだ犯罪者(テロリスト)

そう言い放った安吾は重々しい溜息を吐いた

安吾「ですが…状況が変われば彼はもう犯罪者ではなくなる」

A「…!!良いの…?」

安吾「…愚問ですね。貴方は最初からそうするつもりだったのでしょう?」

安吾はそう言って優しく笑った

安吾「だから…話をつけに行って下さい。後の準備は整えておきますから」

どうぞ、Aさん

A「ありがとう…っ!」

安吾が開いてくれた扉を私は小走りで潜りぬけた

開いた白の世界には男が一人、ベッドの上で待っていた

32: かつて私は→←30.5: 愛するお前よ【高杉晋助】



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No.0 - 29話の「異能開拓書」ですが、「異能開業許可証」だった気がするのですが……間違えてなかったらすみません! (2019年3月13日 23時) (レス) id: 049adb6c05 (このIDを非表示/違反報告)
リサっペ(プロフ) - 文ストの世界では確か横浜ではなくヨコハマだったと思います!…違ったらすいません! (2019年1月10日 14時) (レス) id: cc75c6e61c (このIDを非表示/違反報告)
ミニクイーン(プロフ) - 万屋の字は、態と万屋なのですか? (2018年4月5日 16時) (レス) id: 559ef6125d (このIDを非表示/違反報告)
沖縄県産マンゴー(プロフ) - 続編、ある程度まとめてます。引き続きご興味ある方はどうぞ寄ってみて下さい (2017年4月28日 0時) (レス) id: a030df476c (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(´・ω・`) - 私文ストも銀魂も好きなので嬉しいです!!そして面白いです!これからも更新頑張ってください!!(*´∀`) (2017年4月24日 0時) (レス) id: 496f7be030 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沖縄県産マンゴー | 作成日時:2016年11月4日 2時

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